課外活動: 2010年5月アーカイブ

Class of 2011のKIです。今回は自分の2年間のKellogg生活において、間違いなくハイライトの一つになるであろうGIM (Global Initiative in Management) Japanプログラムでのリーダーシップ経験に関して書きたいと思います。プログラムの中身に関しては校則もあり、且つ訪問先企業との絡みもあるので詳述は避けますが(すいません)、このプログラムを通じて何を学んだか、何を得ることができたかという点にフォーカスして書いていこうと思います。

先ず、GIMの説明ですが、GIMはGlobal Initiative in Managementという冬学期の選択科目の一つです。1月から3月中旬まで特定の地域・国の歴史・文化・経済・ビジネス等に関する講義を3時間/週のペースで約10回行った後、3月中旬から下旬の春休み期間を利用して実際にその地域・国を実地研修の為に訪れ、最後に4-6人のグループ毎に自ら定めたテーマに沿って論文を纏めて締め括るというプログラムです。2010年度は南アフリカ・ブラジル・中東・インド・中国・東南アジア・日本と、発展途上地域におけるヘルスケア支援を目的としたザンビアの計8つのプログラムの中から選ぶ格好になっていました。GIMが他の選択科目と絶対的に違う点はカリキュラムの構成、授業で使うケースやリーディングの教材、ゲストスピーカーの招聘、実地研修での訪問企業の選定・アポ取り・旅程のアレンジ等これら全てを学生リーダーを中心に、参加している学生全員で作り上げていくということで、Student-Drivenのケロッグのカルチャーを体現している目玉授業の一つであることは間違いないと思います。

自分はGIM Japanを選び、且つそのメインリーダーを同じく日本人の同級生と一緒にやったわけですが、少なからず周りの友達から「折角の機会なのにどうして日本を選ぶの?日本のことはもう良く分かっているだろ??」と突っ込まれました。確かに、まだ一度も行ったことがない地域であるアフリカや南アメリカへの興味は大いにあったものの、自分の中ではなぜGIM Japanを選ぶのか?、且つなぜそのメインリーダーをやりたいのか?という点において明白な理由があったので迷いは一切ありませんでした。(以下が主な理由。)

ハリー・クレイマー(Harry M. Kraemer)教授が、昼のセッションで、「クリスチャンとして人生の選択に優先順位をつける」と題して講演した。同教授は、製薬企業バクスター・インターナショナル社(フォーチュン500で185位)の元会長兼CEO。

ポイントは以下のとおり。
・人の多様な価値観を尊重すべき。自分はなにが正しいかを知らない。ただ、強い意見なら沢山持っている
・人生は短く、大義のために生きる。それが目的
・目的がはっきりしていれば、そのための手段はおのずと見えてくる
・日々、自省の時間を設け、自分の目的を確認し、自分の行いがその目的に沿ったものであるか振り返る
・ある人から問題が起こったと聞いたとき、それが本当に驚くに値することなのか、疑問に思うことがある。例えば、子供の巣立ちが予想できたのに、大きな家を買ってしまったなど、大抵予見できる話
・なにも持たずに生まれてきたのだから、なにも持たずに次ぎに進む
・車は型落ちだし、簡素な家に長年住んでいる
・物質的なものにとらわれると、自分がなにを大切にしているのかが見えなくなる
・最終的には自分の主義信条を貫き、そぐわないときは、次に進む。その選択をする力がある
・優先順位を見失わないこと。自分にとっての優先順位は、信仰、家族、社会貢献

***感想***

ケロッグでは、日々、複数のランチセッションが開催されている。
外部講師や学生による、「就職活動必勝法」、「エクセル上達術」といった実践的なもの、企業のトップによる「ルイヴィトンのマーケティング戦略」といった企業戦略に関するもの、教授陣による各分野についての小話など、内容な様々。エンターテイメント性もあり、さながら観劇する演劇を選ぶような楽しさがある。

クレイマー教授の今回の講演テーマは異色で、宗教に根ざす価値観と企業人としての生き方を重ねて見せたものだ。同教授はCFOも務めているが、企業の目的・ゴールが、利益の最大化であるのに対し、同教授の人生の目的・ゴールは、大義のために生きることだという。

同教授は、クリスチャンであることで、目的を持ち、そのための手段を考え、実行し、自省するという、いわゆる人生のPDCAサイクルを実践している。目的を明確化させ、PDCAサイクルに乗せるというのはP&GのCEOが述べていた点とも重なる。
http://duck-dive.blogspot.com/2009/10/p.html

こうした複眼的な観点からビジネスを考えることができるのも、貴重な機会だ。なお、ケロッグの正式名称は「ケロッグ・スクール・オブ・マネジメント」であり、学位はMBAだが、「○○・ビジネス・スクール」といった名称を使っていない。

なお、以下は講演を聴いて疑問に思った点。
・宗教を持たない人はどのように目的を設定すべきか
・クリスチャンとしての価値観と、企業人としての価値観はどの程度合致するか
・平均的な大多数の人は、自分の主義信条を貫き通すことの厳しさを知っているのではないか

セブン・イレブンCEOのジョセフ・デピント(Joseph DePinto)氏が5月13日(木)、
ケロッグで講演した。同CEOはケロッグの卒業生で2005年に同社CEOに就任した。
以下、要旨。

セブン・イレブンは1927年にアイスハウス(製氷店)として発足、
現在世界16カ国に38,000店舗を抱える。
マクドナルドの120カ国、32,000店舗と比べると、
特定の地域に集中して出店していることがわかる。

同社を巡る米国における環境としては、
(1)雇用悪化、(2)人種の多様化、(3)グリーン意識の高まり、(4)健康意識の高まり、(5)付加価値、低価格重視、などがあげられる。
こうした状況に対応すには、まず、顧客視点で考えることから始める。
顧客が考える要素は、(1)品質、(2)サービス、(3) バリュー、(4)清潔さ、(5)品ぞろえ(assortment)。
次に重要なのはフランチャイジーをモチベートすること。

顧客やフランチャイジーを考える際に重要なことは、
CEOを頂点としたヒエラルキーに基づいた発想を転換し、
顧客を最上層に持ってくる必要がある。

また、全社で統一したバリューシステムを浸透させることも必要だ。

健康意識の高まりや規制の強化を受けて、
これまで、利益の大きな部分を占めていたタバコの販売が低下している。
これを補うのがホットフードやコーヒーの販売だ。

また、若年層のコンビニ離れが深刻で、同社では若年層への再浸透を図っている。
クレジットカードを持っていない層へどのように売り込むか工夫が必要だ。

流通面では、卸センターの集約化を図っている。

***感想***
日本のセブンイレブンの店数は約12,000店と米国の約6,000点の2倍。
コンビニという業態のカギを握っているのは、人口密度の高い都市部における利便性の追求にある。
利便性を売り、そのための配送コストをかける、という戦略だ。

人口密度の高い日本においては、ドミナント出店を行うことで顧客にとっての利便性を高めるとともに、
配送コストを抑え、高い収益性を確保している。
一方で、米国は、場合によっては、都市部においても人口密度が日本ほど高くないため、
ドミナント出店を行いづらく、配送コストも高くつく。
市場の特性がコンビニに向いていないと思われる。

一方でウォルマートのような大規模店舗は、人口密度の低い米国に適したモデルであり、
逆に日本市場にはあまり適したものとは言えない。

つまり、利便性や配送コスト、車の利用の頻度など、市場特性に応じて、
適した小売り形態が異なるということ。

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