Class of 2012のMKです。まずはじめに、この度の東北地方太平洋沖地震で被災された皆様に、心よりお見舞いを申し上げると共に、ご冥福をお祈り申し上げます。
<GIM Japan概要>
さて、今回は私がチームリーダーを務めたGIM Japanの経験をご紹介させて戴きたいと思います。GIMはGlobal Initiative in Managementの略で、Kelloggの1年生が冬学期(1-3月)に受講出来る代表的なExperiential Learning 科目の1つです。
約3ヶ月間かけてある地域・国の政治・文化・経済・歴史等に関する講義を週3時間、計10週間行った後、春休み期間を利用してその国・地域を実際に訪れて会社訪問を行い、最後に5-6人のグループ毎に自ら定めたテーマに沿って論文を纏めて締め括るというプログラムです。日本以外にも中国・インド・東南アジア・ブラジル・南アフリカ・ケニア(グローバルヘルスケア)という計7地域が選べます。
他のビジネススクールでもJapan Trip (Trek)として約1週間日本を旅行する企画はありますが、KelloggのGIMがそれらと一線を画するのはこれが授業の一環であるという点です。各人が限られたBidding Pointの多くを費やし、就職活動で忙しいこの時期にわざわざ履修するということもあり、Expectationも非常に高いです。特に今年は履修シーズン前に気合を入れてプロモーションをしたこともあり、他の人気教授が教える科目も含めた中でも最も人気(Bidding Pointが高い)科目の1つとなりました。特に同じGIMの中でもインドや中国、ブラジルといったグローバル経済における存在感が高まっている地域よりも人気を集められたことで、「まだ日本への興味は失われいないんだ!」と率直に嬉しい気持ちとなりました。
しかしながら、今年は震災発生の3日後に出発を予定していたこともあり、情報量が限られている中で最後まで決行できるかどうかギリギリまで悩んだものの、最終的には教授陣とも相談の上で日本行きを断念致しました。日本の良さをみんなに理解してもらいたいという一心で準備を進めてきたものが実現しないという悔しさだけではなく、最後までずっと日本に行けるのを楽しみにしていたクラスメイトが多く居たこともあり、被災者の方々のそれとは比較にはなりませんが、我々にとっても非常に苦しい決断でした。
<授業について>
日本には行けなかったもののEvanstonでも想像していた以上の学びがありました。というのも、GIMはKelloggのStudent-Drivenの文化を最も体現しているカリキュラムとなっており、授業の構成・教材・ゲストスピーカーの招集等も全て学生リーダーが決めて授業を主体的に運営するからです。
授業では、第1回目のSunil Chopra教授(Kellogg前Dean)によるセブンイレブンのオペレーション講義に始まり、Alisa Freedman助教授(オレゴン大学)による日本のモダン文化(漫画、アニメ等)紹介、Ken G Kabira氏(元マクドナルド日本CMO)による日本におけるマーケティングについて、その他金融、Luxury Brandビジネス、クリーンテックなど様々な分野の専門家の方々に講義をして戴きました。また、日本人リーダーが中心となり、日本の政治・ビジネスマナー・テーブルマナーを含む慣習紹介、訪問予定企業の説明なども行いました。
スピーカーはいずれも日本に精通した方々ばかりでしたが、アメリカ人から見た日本像を学ぶことが出来たのもとても新鮮で有意義でした。また、寿司やNintendoのことは知っていても日本経済、政治のことについてクラスメイトが自分が想像以上に皆知らないことにもショックを受けました。日本に興味を持った高等教育を受けた彼らですらこのレベルか・・・と考えると、如何に日本から世界に対する発信力が足りていないのかということが肌で実感できました。
<北米トヨタ稲葉社長講演>
授業でのハイライトは北米トヨタ稲葉社長による講演でした。Kelloggの大先輩でもあり、国際経験の豊かな稲葉さんのお話はお声がけしてからずっととても楽しみにしたのですが、期待を遥かに超える内容であり、同級生からも「これまで聞いたKelloggの講演の中でも一番良かった」「稲葉さんの素晴らしいパーソナリティに感銘を受けた」など多くの賞賛の言葉を受けました。
講演は、丁度1年前が急発進事故に関する記者会見前日であったというコメントから始まり、25年前のKelloggでの生活、日本経済に対する憂慮、そして昨年の公聴会・事故発生後の対応についてお話戴き、その後時間の許す限りの質疑応答に真摯に応えて戴きました。当日は聴講希望者が殺到したことからGIM Japanメンバー外にもオープンにしたところ、100名超収容する教室が学生と数名の教授陣で一杯となりました。
印象的だったのが、前日に急発進事故と車両の電子制御装置に関係がないという結論が出た直後であったにも拘らず、「一連の騒動は相対的に成功してArrogantになっていた我々に対する試練であり、米国政府・マスコミのせいではない。これからもステークホールダーの信頼回復に向けて誠心誠意対応していきたい」と仰っていたことです。これらの言葉がどこかの政治家が発したものであったら単なるリップサービスにしか聞こえませんが、講演を通しての一貫性、そして言葉のトーンから全く浮ついたものではなく、真意として参加者にきちんと伝わったことから上述の評価に繋がったものと思います。
また、Diversityの重要性、部下を信頼して積極的に権限委譲していくという以前より伺っていたリーダーシップモットーについてもお話戴きました。謙虚な姿勢を持ちつつも主張すべきところはする、同時にウィットに富んだコメントが出来る(笑いも取れる)というその稀有なキャラクターを見ていて、こういうステークホルダからも信頼され、グローバルに通用する経営者になりたいと改めて刺激を受けました。
<その他>
以上が本丸の日本旅行パートを除いたGIM Japanです。今回日本の良さをクラスメイトに知ってもらいたい、これから世界に向けて日本をアピールしていくきっかけを掴みたいという動機でリーダーに立候補しました。その後、未曾有の大震災とこれに起因した原発事故とその対応、経済活動低迷を遠く離れた地から見ている内に、これからは我々の世代が自らの力でリーダーシップを発揮して復興に貢献し、更に強い日本を創ってアピールしていかなくてはならないという気持ちにシフト致しました。その為にも、今自分が何が出来て何が出来ないかを見極め、グローバルに通用するリーダーとなる為に今出来ることを着実に積み重ねて参りたいと思います。
尚、受験生の皆様の中で同様の志をお持ちの方がいらっしゃるかと思います。単に「GIM Japanをリードしたい」とエッセイに書くだけでは全く伝わりませんが、日本のどのような面を具体的にどう見せたいのか、そして自分がそれに如何に貢献できるかというところまで含められれば十分差別化出来る要因になるかと思います。日本への熱い思いをお持ちの方に今後引き続きGIM Japanをリードして戴けるように期待しています。
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