Experiential Learningのご紹介 (その3)

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2年生 (Class of 2011) のMNです。
前々回前回に引き続き、Experiential Learningのコースの紹介です。
第3回は同級生 (Class of 2011) のKKさんに、ファイナンスのコースの最高峰と目されるAsset Management Practicumについて記事を書いてもらいました。

 

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誤解を恐れずに言うと、ケロッグはある意味でファイナンス校でもあるんじゃないかって思う。

授業の一環とは言え大学基金(Endowment Fund)の一部を学生に運用させるコースを提供していたりと、はたとそう感じる。トップスクールで見ても、そこまでの自由度と機会を学生に与えている学校は非常に稀だ。

ケロッグというと、ジェネラルマネジメントやマーケティングに強い学校であると思い浮かべる人が多いだろう。実際、それらの分野においては周りから特に高い評価を得ており、交渉術等の授業はアカデミアの中でも一目おかれている。僕自身2009年に入学するまでそうしたイメージを強く抱いていた。

ところが、入学後一年半ほど経過した今改めてカリキュラムや教授陣を見ていると、ケロッグが提供しているファイナンス科目群が非常に充実していることを実感させられる。ジェネラルマネジメント/マーケティング校という強いイメージに隠れがちであるが、ケロッグでのファイナンスカリキュラムは、理論から実践までを一気通貫で網羅する、非常にバランスの取れた科目構成になっている。学校のモットーの一つであるExperiential Learningを見事に体現している分野であることを感じさせる。

ケロッグでは、ファイナンス専攻の登竜門である必修科目(Finance I)および準必修科目(Finance II)をまず履修し、CAPMやMM理論等の基礎的なコーポレートファイナンスを学び終えると、履修可能なカリキュラムの幅が一気に広がるようになっている。

オーソドックスなバリュエーションのクラスから、クオンツ系のデリバティブのコース、その他アントレやプライベートエクイティに関連するファイナンス等、選択科目の守備範囲は極めて多岐にわたる。また、それに加えてVenture LabやBuyout Labなど、実際にシカゴ近郊にあるVCやPEに従事する形で単位を取得することができ、学んだ理論を実践して体得する訓練の場が数多く提供されているのである。そのため、ファイナンスにあまり土地勘のなかった学生が基礎から応用まで学べるのはもちろん、金融業界出身者にとっても更に高度な学びが得られるような設計がされている。

冒頭で挙げた僕が現在履修しているコース、Asset Management Practicum (通称AMP)もそうした実践型のコースの一つであり、2007年に開講された比較的新しい科目である。ノースウェスタン大学の基金(Endowment Fund)の一部を開放し、履修者の判断に基づいて実際に米国上場株式に投資・運用するという大胆なコースである。クラスは20数人という限られた履修者で構成され、投資関連業界(アナリスト・ヘッジファンド・PE・VC等)への就職を希望するファイナンスハードコアな人々が集いやすい。また、資産運用という長期の時間軸が馴染む科目であることから、三学期間連続しての履修が義務付けられている。

クラスでは、まず数名のポートフォリオマネージャーとその他株式アナリストという形で役割を分担する。毎クラス数名のアナリストが、自身が推奨する株式銘柄(ロングまたはショート)をその他の履修者を投資家と見立ててプレゼンし、ポートフォリオマネージャー含むその他履修者はプレゼンされた銘柄の取引について判断を下すのである。実際の運用会社さながら、株式アナリストは自身で「いけるっ」と思った銘柄を自ら選択し、DCFやマルチプル等のバリュエーション手法を用いて株価の目標価格を算定し、それに伴う投資理由を紹介する。それを受けて他の履修者は矢の様な質問を浴びせ、自らの投資スタンスを固めていくのである。

履修者の多くが金融業界出身であることもあり、この質疑応答の時間(各プレゼンにつき20分)は非常に濃密かつ活発な議論が展開する。このクラスの大きな醍醐味は、履修者全体を巻き込むダイナミックな質疑応答の時間にあるといっても過言ではない。現役のアナリスト等をゲストスピーカーに迎えることもしばしばで、実務家を交えた議論は更にヒートアップする。

インターナショナルの学生が数名しかいない中、僕自身、この授業を通して本当に鍛えられたと思う。

求められる成果物の水準は高く、プレゼンの場面では脂汗をかく思いも経験した。周りの学生の議論についていけず、無為な時間を過ごすという惨めな思いもした。ただこの授業からは、そうしたマイナスを上回る大きな学びを得たと思っている。

その他のファイナンス科目で学んだ理論を実践する機会を得ただけではなく、語学のハンデがある中クラス全体を相手にプレゼンしその質疑に対応することで、「やればなんとかなる」自信や度胸、「知らんがな」というような質問への対応力など、ソフトな部分も大いに磨くことができた。また何よりも、座学で学んできたことの理解が一層深まったことが自分の中での大きな成果である。

応用し適用することで、学んだ理論が腹に落ちる。

そんなことを学期を通して繰り返した結果だ。僕自身、卒業後のキャリアとして投資業界に転身したいという想いがあり、厳しいのを覚悟で履修したのだが、本当に正解だったと思う。学期を追うごとに、前学期に比べて理解が深まっていることに気づき、嬉しくなる。

ケロッグでは、マーケティング戦略等如何に企業のトップラインを伸ばしていくかといった視点のみならず、分析ツールとしてのファイナンスの観点からも同程度に高いクオリティのコースを受講することができる。そんな実体験を踏まえると、もはや「ケロッグ = ジェネラルマネジメント/マーケティング」という図式では、その魅力の全体像を伝えるには力不足な気がしてならないのだ。それもあってか、僕は「ケロッグの強みは何ですか」と受験生の方に聞かれた際には、自信をもってそのファイナンスカリキュラムの充実ぶりを伝えるようにしている。

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このページは、KKが2011年1月 1日 20:08に書いたブログ記事です。

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