Marketing Strategy (Prof. Calkins)

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Marketingという分野は様々な要素から構成されている。顧客の心をつかむ広告やTV CM、プロモーションキャンペーン、チャネルマネジメント、プライシング、顧客のニーズを把握するための顧客サーベイなどなど。これらはどれも、ビジネスの成功、とりわけ、セールスサイドからの売上、利益を最大化するために不可欠なものである。ただ、たくさんの要素から構成されているだけに、Marketingを正しく行うというのは非常に難しい。軸となる戦略もなく、ただ、やみくもに広告を出してみたり、とりあえずロイヤリティプログラムを始めてみたり、売れないから価格を下げてみたり、何のためかわからないサーベイを行ってみたり。効果の上がらないMarketingをしている企業は少なくない。

Marketingの軸となる戦略を組み立てることが、どのMarketingの要素にフォーカスすべきかの優先順位づけをし、正しいMarketingを行うことを可能にする。このコアとなる戦略の作成について学ぶのがKelloggのMarketing Strategyである。KelloggのMarketingの二大看板教授である、Calkins教授とHennessy教授が担当しているが、ここでは、私が実際に受講したCalkins教授の授業の話を紹介したい。

まず、このCalkins教授だが、元はKRAFTというアメリカの大手食品メーカーで実際に数々のBrandを担当して成功に導いた偉大なMarketerである。自分で実際にMarketingを行っていたからこそ、彼はビジネスを行う者の視点を非常に重視している。単なる理論だけにとらわれない、実用的なソリューションを考えることを学生にも求めてくる。何より、彼は非常に頭がいい。Marketerでありながら、いわゆる恰好のいい言葉を並べて話をするのではなく、とにかく簡潔にMarketing Strategyのエッセンスを説明する。え、こんな簡単でいいの?と思ってしまうことがしばしばある。

授業の形式は、講義が半分とケースディスカッションが半分である。講義も、彼が一方的に話をするのではなく、学生との議論が中心になるため、結局は毎回がディスカッションのような形になる。ケースのほとんどは、教授自身が書いているため、ディスカッションの進め方は非常にうまい。ケースを書いた人の授業をとれる貴重な機会でもある。

また、授業と並行して、毎週、Mark Stratというシュミレーションを行えるのも、この授業の大きな魅力である。これは、自分たちが実際にMarketerとなり、自社の製品の売上・利益を他のチームと競う、いわゆるMarketingゲームである。新製品を投入したり、価格を変えたり、Sales forceやMarketing spendのリソース配分を変えたりと、色々なMarketing decisionを毎週行って、業績を争っていくことになる。このシミュレーションの難しいところは、競合が、コンピューターではなく、同じクラスの他の学生のグループだということである。予想もしていなかったdecisionを競合がした結果、自分たちの戦略が崩壊してしまうということもよくある。これは実際のビジネスの世界でもよく起こる現象である訳で、そういう意味で、このシミュレーションは非常に理にかなっている。

もちろん、このシミュレーションでは、授業で学んだことを反映することが求められ、各チームで、最も利益を上げるための、Marketing戦略を作成する。授業の最後には、何が原因で、それぞれのチームが成功したか、または失敗したかのレビューも行い、将来、実際のビジネスにおいて何を注意するべきか、身をもって体験することができる。

Calkins教授が授業の中で常に強調していたことがある。それは、顧客は、その製品のクオリティが高いから買うのではなく、クオリティが高いと信じているから買うのであるということ。極端な話、その製品のクオリティがどんなに悪くても、顧客がその製品のクオリティがいいと信じ込んでさえしまえば、それでその製品は売れるのである。もちろん、クオリティが実際に悪い製品の多くは、顧客はそれを使ってみることで、クオリティの悪さを実感し、クオリティが高いと信じることはなくなる。その一方で、クオリティが測りづらいカテゴリーや、どの製品のクオリティも似通っている場合、実際のクオリティより、その製品のイメージ、すなわちブランディングが極めて重要になる。ビタミンCなどの健康補助食品はいい例である。どのビタミン剤が効果が高いか、身を以て測ることは非常に難しく、結局は、自分の好きなタレントが宣伝してたからとか、このパッケージが信用できそうとか、イメージで買ってしまうのである。Calkins教授はbrandingが特に専門であるため、こういったエピソードも数々授業中に語られる。そして、brandingはMarketing Strategy作成の肝でもある。参考までに、Calkins教授がbrandingに関して話をしているaudio fileをwebに見つけたので、そのリンクをここに載せておく。

また、彼はMarketing Strategyを作る際には、そもそもこのビジネスのGoalは何で、そのためにどのようなInitiativeが必要で、それぞれのInitiativeにはどのような具体的なactionが必要かを明記しろ、そして、それはパワーポイントの一枚で収まるくらいの簡潔なものでなければならないと言っていた。何百ページにも及ぶMarketing Strategyは誰も理解できないし、無駄だということである。戦略は、組織にしっかり伝わる形であってこそ意味がある。実際にMarketing 活動を行うメンバーにいかにわかりやすく伝えるかが、戦略作成のカギなのである。

将来、会社のどのようなポジションに進む人にとっても、Marketing Strategyを考える・理解する必要は必ず出てくると思う。正しいMarketing Strategyなくして、物は売れないし、それではビジネスは成り立たないからだ。Marketingを専攻するにしろ、しないにしろ、一流のビジネスパーソンになるために、この授業はぜひおさえておくべきだと思う。

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このページは、HOが2010年12月21日 23:44に書いたブログ記事です。

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