2年生 (Class of 2011) のMNです。
前回の投稿からだいぶ間隔が空いてしまいましたが、今回から私が実際に履修したExperiential Learningのコースを紹介します。今回はSustainability Labです。
KelloggはSocial Enterprise(社会問題の解決を目的としたビジネス)に近年特に力を入れており、それに伴って新しいコースが次々と開講されています。Sustainability Labもその1つであり、2009年に開講された非常に新しいコースです。
本コースでは、Sustainability関連の課題を抱える実際のクライアント企業からの要望に応じて、10前後のプロジェクトが設定されています。それに対し、学生は自分の興味及び過去の経験に基づき、プロジェクトの志望順位を決定します。最終的には学校側が、1チーム3-5名になるように学生をプロジェクトにアサインする仕組みとなっています。クライアント企業の業界及びプロジェクトの課題は多岐にわたっており、例えばIT企業に対するエネルギーモデリングソフトウェアに関する市場調査、施設メンテナンス・サービス企業に対するSustainability戦略の策定、地方公共団体に対する産業廃棄物処理の計画策定等々、様々なプロジェクトがありました。
私が参加したプロジェクトでは、ある製造メーカーをクライアントとし、製品のサプライチェーン全体での環境影響評価のフレームワークの策定を行いました。プロジェクトの進め方としては、クライアントのオフィスがシカゴ以外の場所にあったため、基本的にリモートで作業を行いました。週1回の電話会議で進捗報告を行った他、クライアントのサプライヤーに対するヒアリングを適宜実施しました。さらに5週目に電話会議にて中間報告を行い、10週目にクライアントのオフィスを訪問し、最終報告を行いました。
Sustainability Lab以外のコースも同時に4つ履修し、当該プロジェクトに専念できない状況において、上記のような盛り沢山のプロジェクト・スコープですから、当然のように作業負荷も高くなり、睡眠時間を削る毎日が続きました。また実際のクライアント企業のプロジェクトであることから、失敗は許されないという精神的なプレッシャーも相当なものがありました。しかしながら最終報告会でクライアントからお褒めの言葉を頂いたときはやりがいを感じた瞬間でした。このプロジェクトを通じて多くの学びがありましたが、その中でも特に大きな学びは以下の3つです。
1. Sustainability関連の現場経験が得られたこと
2. 強力なKelloggの卒業生ネットワークを実感できたこと
3. Kelloggの醍醐味の1つであるチームワークを最大限発揮できたこと
1. Sustainability関連の現場経験が得られたこと
Experiential Learningのコースなので、当たり前といえば当たり前なのですが、やはり現場での経験が得られたことは非常に大きかったと思います。私は学部時代に環境問題を専攻して以来、ずっとSustainabilityに強い興味を抱き続けており、Kelloggを選んだ理由の1つにSustainability関連のプログラムが充実していることがありました。Kellogg以前はSustainability分野とは全く無縁の職務経験でしたので、このコースを通して当該分野の経験を得られたことは本当に貴重でした。特にSustainabilityという曖昧模糊とした概念を、実際の企業がどれだけ喫緊の課題として認識し、かつ必要な投資(カネ・ヒト)を行っているかを肌で感じられたことは、当該分野での将来のキャリアを考える私にとって非常に有益だったと思います。
2. 強力なKelloggの卒業生ネットワークを実感できたこと
プロジェクトで直面した大きな困難の1つが、クライアントの期待値が非常に高かったことでした。それを克服できたのは、Kelloggのもつ強力な卒業生ネットワークのおかげです。
クライアントの担当者はSustainability分野のいわば専門家であり、例えば各種媒体(書籍・新聞・雑誌・ネット等)から情報収集してまとめるというレベルでは決して満足しませんでした。その意味では、コンサルティングファームが行うプロジェクトと何ら変わりなく、従ってクライアントからの期待値も高く、学生といえど手加減なしという雰囲気がありありと感じられました。
とはいえ情報の非対称性をテコに、クライアントが満足するアウトプットを出さなければいけません。そこでまず使ったのは、Kellogg卒業生のデータベースです。Kellogg卒業生のデータベースは非常に充実しており、名前・企業名・出身国・卒業年度等で検索をかけることができます。このデータベースを使って、クライアントと同様の取り組みを行う企業で働く卒業生を探し出して連絡を取り、20-30分程度の電話会議をいくつも行いました。自分に何の見返りがないにもかかわらず、卒業生のほとんどがわざわざ時間を取ってまで電話会議に快く応じてくれ、非常に有用な情報を提供してくれました。Kelloggの特徴の1つに愛校心が強いことが挙げられますが、見ず知らずの後輩のために協力を惜しまない姿勢を実際に目の当たりにし、驚くとともに感謝しきりでした。
3. Kelloggの醍醐味の1つであるチームワークを最大限発揮できたこと
Kelloggではチームで作業を行う機会が無数にあり、それがチームワークを重視するKelloggのカルチャーを形作っています。私もこれまでいろんなメンバーとチームを組んできましたが、今回組んだチームほどうまく機能したものはありませんでした。その理由として、チームがダイバーシティに富んでおり、かつ各メンバーが持つ強みを最大限生かすことができたからです。ここで実際のチーム・メンバーのプロフィールを簡単に紹介します。
- Cさん: ドイツ人男性、保険会社出身
- Nさん: アメリカ人女性、環境NPO出身
- Sさん: メキシコ人女性、戦略コンサルティングファーム出身
- 私: 日本人男性、会計事務所出身
ご覧の通り、国籍・経歴が全く重複しておらず、これがプロジェクトを進めていく上で非常に役立ちました。例えばSさんは、元コンサルタントの経歴を生かし、目が回るほどの速さで次から次へと成果物を作成するだけでなく、プロジェクト・マネージャーとしてプロジェクトを引っ張ってくれました。Cさんは、環境先進国ドイツ出身ということで、ドイツの製造業の先進事例を紹介してくれました。Nさんは、環境NPOで働いていたときのコネクションを生かし、Sustainability関連の専門家にヒアリングし、製造業における環境影響評価のフレームワークをうまくまとめてくれました。かくいう私は数字に強いバックグラウンドを生かし、定量的な分析を一手に引き受け、Excelをゴリゴリ回すといった具合です。
学生のダイバーシティを重視しているものの、やはりその6-7割はアメリカ人学生に占められている現実を鑑みると、今回のチームがいかにダイバーシティに富んでいるかが分かります。またダイバーシティはともすれば異なる文化・価値観が衝突する危険を常に孕んでいますが、今回はそれぞれの文化・価値観がお互いを補完し合うことができ、チームとしてのアウトプットを最大化することできました。
以上長くなってしまいましたが、改めて実感するのは、通常の授業では決して得られない骨太の経験を得ることができたということです。アプリカントがビジネススクールに求めるものは様々かと思いますが、他の学校では得られない骨太の経験をしたければExperiential Learningが充実しているKelloggを強くお勧めします。
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