米国のベンチャーでのインターン(2)

| | コメント(0) | トラックバック(0)

どんだけ間空いてんだよって話なのですが、夏休みのインターンシップでの、地元Evanstonのインターネット系Start-up企業の立ち上げ体験の後編です。(前回の記事はこちら。)

SEM.jpg

今回は、具体的にどんな体験をしたのか、そこで何を学んだのかについて書かせて頂きます。今回は特に英語問題にスポットライトを当てつつ。米国内でのインターン、就職にご興味がある方にとっては多少なりとも参考になるのではないかと思ってます。ご興味があれば、是非。

 

GoogleやYahoo!といった検索エンジンでの「検索結果」そのものに影響を与えようとするSearch Engine Optimization (SEO)という分野はそれなりに一般の方にも認知されていると思う。今回働いたのははそちらではなく、ここ数年間で一気に存在感を増しつつある、「検索広告(Search Ads/Paid Ads)」の方をコントロールしに行く「Search Engine Marketing (SEM)」と呼ばれる分野のservice provider。既に混んでいる大企業ではなく、ホワイトスペースである中小企業にターゲットを絞って尖りを出し、アービトラージを抜きに行く(予定)という戦い方の企業。

経営のてっぺんから末端まで

いろいろあったベンチャー企業でのインターンの話の中で、この企業に決めた大きな理由の一つは、「経営の全体を見られそうだから」だった。これまでボストンコンサルティンググループでの戦略コンサルティングの仕事を通じ、大企業のあらゆる戦略/経営イシューに関わらせて頂いてきた。一方で、一つ一つの経営課題を切り出した形ではなく、全社の経営の全てを包括的に見るという経営者としての体験や、現場の一従業員として日々のオペレーションに従事するという体験はしたことがなく、それを同時にやるにはスタートアップ企業は持って来いの場だと思っていた。

他の選択肢として挙がっていた企業は、ベンチャーとは言いながらも創業から数年以上が経過して事業も軌道に乗り、組織もそれなりの規模になっているものも多かった。そんな中、今回選んだ企業は、創業者がザックリしたビジネスプランを書き終え、正にこれから事業を始めるというタイミングだったため、否応無く経営全体を見る必要があり、また地道な事務作業も全て自前でやる必要があり、正に打って付けのターゲットだった。

この仕事の募集要項の中のJob descriptionに、「この仕事でインターンの方にやって頂きたい仕事は...『全部』です。書類整理やオフィスの掃除のような事務的なことからトップレベルの戦略立案まで全てやってもらいます。」と書いてあった。実際働き始めてみると、その言葉通り「全部」やらせて頂くことに。創業者一人+バイト数人でアップアップしており、猫の手も借りたい状況。資料の購入/整理、求人広告作り、ウェブサイトの立ち上げといった、超具体的でpracticalな作業もこなしつつ、競争戦略やマーケティング戦略、財務戦略といった、最上位の経営課題についてもがっつり取り組ませて頂いた。

具体的にやったこと

てな訳で、最初の数日はコンサルタント時代と全く同様、一人boot camp状態で業界紙、書籍、ウェブサイトを鬼のように読みまくり、業界知識をゴリゴリと注入し急速にその道のexpertになるというプロセス。その後はウェブサイトに載せるプレスリリースの校正やウェブサイトの修正という、極めてプラクティカルな仕事から入り、慣れて来たところで、少しずつより本質的な戦略の決定や実際の新規顧客の開拓といった実戦モードに突入していった。 

IMG_1431.JPG具体的にカバーしたことを(ちょっとカッコよさげに)ザクッと書くと、以下のような感じ。守秘義務の関係もあり具体的なことは書けませぬが...

●ハイレベルな産業構造の理解
 -GoogleやYahooといったサーチエンジンの世界が今後どう変わっていくのか
 -online/offlineでの広告とそこでの金の流れはどう変わっていくのか
●競争環境/競合の理解
 -そもそもどういうプレーヤーがいて、どういう戦い方の種類があるのか
 -それぞれがどういう強みを持って、どういう客をカバーしてるのか
●客の理解
 -どういう客を狙うべきか/どういう軸で客を切り出すべきか(業態、サイズ、インターネット/サーチエンジン広告に関する成長ステージ)
 -それぞれの客がどういうニーズを持ってるのか
●経済性の理解
 -収益性を決める鍵となるドライバー/レバーは何か
 -上手くいった時/いかなかった時のそれぞれ、いつ、どのくらいの黒字/赤字になるのか
●それを踏まえての我々の戦い方の定義
 -狙う客×提供する価値×自分たちならではの何か
●それを踏まえた具体的な「武器」作り
 -客をアイデンティファイする仕組み
 -セールストーク用のツール
 -プロモーションビデオ

といった論点に答えを出し、意思決定をしていった。

で、最後は実際にその戦略の方向性に基づき、実際に客を開拓しに行き、めでたく最初のお客さんを獲得できたところで二ヵ月半のインターンを終えた。当初の目的どおり、経営のトップからボトムまでを経験できた、お腹いっぱいな体験でした。

IMG_1430.JPGちょっとだけ中身を紹介

と言っても中々手触り感が伝わらないと思うので、ちょっとだけ中身をご紹介。

顧客に関しては、いろんな顧客候補と話をしまくる中で、いろんなことがわかってきた。

当初最優先ターゲット顧客として想定していた街の弁護士、医者、レストラン、配管工/大工さん、自転車屋さんといった、Local Small Businessは、まだSearch Adsに対する理解度が余りにも無さ過ぎるケースが多いことに加え、消費者の行動特性上、他広告チャネルに比べても経済性が見合わないケースが多いことが判明し、最終的に「時期尚早」と判断し、優先順位を落とすことになった。

逆に、超マニアックなエレキギター屋さん、バイク/車のカスタムクロームチタン部品専門店、額縁専門店、みたいな、スーパーニッチでクソマニアックだけど、全米(場合によっては全世界)にその商品を買いたいという強ニーズを持って探してる人がいるような店で、でもオンライン通販をやっていない、やっているけどウェブがしょぼい/集客が出来ていない、という、顕在ニーズを持っているか、ちょっと話せば顕在化する潜在ニーズを持っている企業で、さらに競合に開拓されてない人たちをアイデンティファイして個別撃破していくことが鍵だということが判明した。

さらに、それらの企業をいくつかの意外な情報ソースを組み合わせることで洗い出す裏技的な仕組みを創業者と二人で考え付き、「さすがにこんな変ちくりんなやり方してるプレーヤーはうちだけなんじゃない?」と笑いながらハイタッチしたりしていた。

ガレージベンチャー生活

日々の生活はどんな感じだったか。所謂ガレージベンチャーの状態だったので、当然オフィスなどは無く、彼が住むマンションの一室のリビングのテーブルをデスクとして仕事をしていた。ベンチャーらしく"Cash is King!" (A.K.A. 金がねえ)の精神に則り、昼飯は毎食食パン+ハムorチーズのシンプルサンドイッチ一枚。ときどき贅沢してベイビーキャロット付き。無駄にダイエットに成功しました。

マンションには彼が飼っている猫もいて、時々遊んでくれとせがまれるので、ボールを投げてあやしてやる、という毎日。

なかなかインターンでもないと経験出来ない貴重な体験をさせて頂き、また、ベンチャーや自分自身のキャリアについて非常に多くのことを学ばせて頂いた。

IMG_1436.JPG

(職場にいた猫のHoodler。貢献度は、癒しと邪魔で差し引きしたらトントン。)

 

四つの学び

以下、インターンを通して分かった事、感じた事をつらつらと書かせて頂こうと思う。の前に、各論は長くなってしまいそうなので、先に結論から。全てあくまで個人的な学びです。

(1)「英語で仕事」は、「思ってたより全然行ける」
(2)3つの条件が揃わないなら、起業しちゃダメ
(3)「アメリカで働く」は、「全然あり」
(4)「三度の飯より好きな事」は、「競争戦略」

以下、詳しく紹介させて頂きます。興味あるところだけでもピックアップして読んでみて頂けると幸いです。

分かった事(1)「英語で仕事」は、「思ってたより全然行ける」

今回のサマーインターンは自分のキャリア上一つの大事な試金石でもあった。卒業後に米国で働くことを真剣に考え始めていた時期だったこともあり、実際に行けるかどうかを見極めたいという目的があった。

米国での勤務を考える上で、当然のことながら予想された最大のボトルネックは、英語力だった。自分はKelloggに来るまでほとんど海外経験は無く、仕事でも主に日本人のお客さん/同僚と働いてきたため、英語を使う機会はほとんど無い、120%べったべたの純ドメ君だった。

Kelloggに来て一年間が経った当時、日本にいた頃からすると考えられないくらい英語力は向上したものの、それでもやはり、アメリカ人たちと同じ土俵でストレス無く「日本語に近いレベルで」コミュニケーション出来るというレベルには至っていなかった。彼らが言っていることが理解できなかったり、伝えたいことを正確に伝えられないストレスを引き続き感じていた。

また、何人かのMBAの先輩がサマーでアメリカで働いてみて、「やっぱり英語でやるのは厳しい」と諦めて卒業後に結局日本に帰るのを見てきた。何人もの僕なんかよりも遥かに英語の上手い方々が、「いや、やっぱ厳しいよ」と尻込みするのをみてきた。

そんな中、本当に自分がアメリカでアメリカ人の中で働くということが現実的にfeasibleなのかどうか、この夏休みに実際に働いてみて見極めたかった。そして、もしダメだったら素直に諦めて日本に帰ろうと思っていた。それが明確にわかったらすっきり諦めが付くし、それ自体が非常に大事な学びだと思っていた。

結論から言うと、自分の場合は、思ったよりも全然「行けんじゃん」と思った。

誤解しないで頂きたいのだが、自分の英語は現時点では未完成極まりない。初めての英語での仕事はかなり大変だった。言いたいことを上手く伝えられずにストレスを感じる局面や、イディオムやスラングが理解できず辞書を引くことも多々あった。そして当然のことながら決してこの数ヶ月で英語力が急激にアメリカ人レベルになった訳でもない。というか、未だに、はっきり言ってまだまだ。相当頑張ってcatch upしなくちゃいけないレベルであることは変わりない。

それでも尚、夏休みが終わった時点で、「あ、これは思っていた以上に行ける行けるっしょ」、「アメリカでアメリカ人の中で仕事をすることになったとしても、何とかなんじゃね?」という手ごたえを感じた。

正直これは我ながらちょっと予想外な検証結果だった。でも一方で、その背後にある根拠/メカニズムを考えると、自分的には強い確信を持てる仮説であるとともに、多くの純ジャパ日本人の方にとっても共通する事実なんじゃないかと思った。つまり、多くの非帰国子女の日本人MBA留学生にとって、英語で働くことは、思ってるよりも、ビジネススクールでの感覚よりも「案外行ける」んじゃないかと。

そして同時にこれは、ビジネススクールにいるだけでは気付きにくい、仕事をしてみないと見えてこない構造かも知れないなとも感じている。であるが故に世の中的にも余り知られてないんじゃないかと。

個人的にこの気付きは非常に重要だと感じているので、ちょっと時間を割いてしっかり語らせて頂こうと思う。(この辺、帰国子女の方からすると相当理解不能でどうでもいい話かとも思いますが...ドメな人に取ってはマジ深刻な問題なのです...)

IMG_1423.JPG

(SGGK若林源三ばりのキャッッチングを見せるHoodler)

理由は大きく以下の二つだ。

理由(1)ビジネススクールでのコミュニケーションよりも、仕事でのコミュニケーションの方が遥かにやり易い

「え?逆だろ?」と思われる方が多いと思う。自分にとっても意外だった。学校のコミュニケーションでも苦労してるのに、仕事なんてもっと悲惨なことになっちゃうだろうと思っていた。ところが。その逆だったのだ。

実は、Kelloggで同級生とやっている議論や飲み会での会話よりも、仕事での議論の方が遥かに「行ける」と感じた。相当違和感があるように聞こえるかも知れないが、仕事での英語の方が基礎編で、ビジネススクールでのコミュニケーションの方が応用編だったのねと感じた。

具体的には以下の4つの要素によると思う。

要素(1)目的が明確

● 今回のインターンでは、ビジネスとして達成しなくてはいけないゴールの下、自分の与えられたタスクが明確にあり、コミュニケーションによって相手に理解してもらう/相手を説得するという厳然とした目的があった。「議論して正しい意思決定をしないとマジで会社が潰れる」という真剣度。自分の中にも右に行くべき/左に行くべきというスタンスが明確にある。議論に常に目的があり、それに基いた優先順位と重さ感/サイズ感がある。これがコミュニケーションの目的をシャープに研ぎ澄ましてくれ、結果として非常にやり易くしてくれた。

●一方、ビジネススクールの授業やグループディスカッションでの授業は、目的が「無い」とは言わないが、極めて曖昧だし、弱い。問いも漠としているし、明確な正解があるわけでもない。(極端な言い方だが、)なんとなくその場の空気を読んで、根拠の弱いスタンスに基づいて発言をし、何となく付加価値を付けなくてはいけない。ああとも言えるがこうとも言える。あれも重要だしこんな話も重要に見える。それを判断する軸が無い(緩い)。

さらに飲み会での立ち話に至ってはもっと難しい。それとなく共通の話題(しかもポジティブで差しさわりの無い内容)を選び、なんとなく、「○○じゃね?」「ですよねー」「それはすごいねー」みたいな会話を回していく。(ま、それはそれで重要なスキルだし、そもそも普通に楽しいんですけどね。そもそも酔っ払ってるし。)

これらのコミュニケーションはKelloggの生活を通じ、つくづく難しいなーと感じていたのだが、実は母国語以外の言語でやるにはかなりハードルが高い、多分に文化的で高度な、応用編のコミュニケーションだったんだなと気づかされた。

要素(2)自分の守備範囲がある

●今回のインターンでは、「これとこれとこれに関しては、完全にお前に任せるから、責任持って仕上げてね」という論点の塊をバチッと切り取って与えられた。結果として、いくつかのモジュール(仕事の塊/分野)に関しては会社の中で自分が一番詳しい専門家で、自分が責任を持って決めなくてはいけないという状況が生じた。そうなると、言葉が不自由かどうかは全く関係なく、自分がその件に対してはオーナーシップを持って意思決定をしなくてはいけない。当然周りは聴かざるを得ないし、聞いて貰わざるを得ない。当然のことながら非常に議論やコミュニケーションでの主導権を握り易くなった。

●ところが、学校のグループワークでは、最終的なレポートやプレゼンの担当パートの切り分けが行われるまでは、全員が全体を議論し続ける。極端な話、一番ベラベラ喋れる奴が全ての論点に関し一番喋る、ということになりがちで、自分の様に言葉にハンデがある人間にとってはどうしてもコミュニケーションのハードルが上がってしまうと感じた。

IMG_1433.JPG要素(3)コンテンツがある

●仕事では、数字やファクツ、仮説や提言など、カチッとしたアウトプット、コミュニケーションの叩き台となる「ネタ」がある。多くの場合それがグラフだったり、スライドだったり、構造化された文章として紙に落として用意することが出来る。当然、これがあると相当コミュニケーションが楽になった。

●一方、学校では、これまたアウトプットを作る前の段階で、「じゃ、皆ケース一通り読んできたよね。ほな、まずはオープンに議論してみよっか」となるケースが多く、口頭だけでコミュニケートする必要があり、適切な言葉を捜して戸惑ってる間にイラッと来られたり、別の奴がベラベラと発言を始めてしまうということも起こる。ロジックや発言の価値/筋そのものよりも、語彙の引き出しが多くて「それっぽく」語れる奴がチームの共感や納得感を獲得してしまう。

立ち上がってホワイトボードに書いたり、簡単なスライドを走り書きで作るのも非常に有効だが、やはり限界があり、即興ではなく事前にじっくり揉んでネタを作れる仕事では相当違ったレベルで議論/説得が出来ると感じた。

要素(4)マンツーで話せる

●仕事の場合、もちろん、複数人でのディスカッションも多いが、一方で、上司/部下や顧客とのone on oneでの会話が多い。当然のことながらこれはグループでのディスカッションに比べて圧倒的にやり易い。聞き取れなかったら聞き直せばいいし、伝わらなければ言い直せばいい。これは日本語でもしょっちゅうやっていたことだし、議論が真剣で深いものであるほどそれは「あり」な空気になる。お互いに相手の思考や言い方の癖、発音やトーンにも慣れるので、無駄なコミュニケーションロスも逓減していく。テニスや剣道のように、完全に相手一人のことにフォーカスすれば良いので、余計なCPUの稼働率を取られなくて済む。

●一方、考えてみるとKelloggでのコミュニケーションはほとんどがグループディスカッションで行われる。皆がjam session状態でフリーに喋り合うため、頑張ってジャンプインして、一発で簡潔にきちんと説明せねばならず、これまた難易度が高い。加えて毎回メンバーが違うので、発音や言い方に癖のあるメンバーが混じると思考のキャパを削られる、そうこうしてるうちに議論の流れに遅れてさらに発言しにくくなる、という悪循環が生じることがある。

合戦の後の焼け野原で俺一人で素手で彷徨ってるよみたいな。そうこうしてるうちに四方八方から10人くらいのいろんな武器持ったやつらが残党狩りに来ちゃったよみたいな。いろんな方向からいろんな奴が襲い掛かってくるの全部素手で裁くのなんて無理だし...っていう。(「バガボンドの27巻状態」っつったら伝わる人には伝わるでしょか。)母国語じゃない言語でやるには結構ハードルが高いスタイルだよなと。

ま、これに関しては仕事でも結構グループでディスカッションする機会は多いので、必ずしも全手の局面に当てはまる訳ではないが。

でも裏を返せば、ここから零れ落ちる示唆としては、今後アメリカで働くに当たっては、最終的にグループで意思決定する必要がある局面でも、事前にface to faceで一人ずつ個別撃破する「根回し」の戦い方が自分に取っては必要不可欠になると感じた。

...とまあ、くどくどと話してしまったが、要は何が言いたかったかっちゅうと、

●ビジネススクールでのコミュニケーションは、実はそんなに簡単なことをしてる訳じゃない(だからそれが完璧に出来ないからって落ち込む必要なんて全く無い)

●むしろ仕事のコミュニケーションの方が全然簡単(だから、ビジネススクールでの感覚や凹み具合を基準にして、英語で働くことに対して過度に日和る必要は無い)

(ここで言ってるのはあくまでコミュニケーションに限った話。議論そのもののレベル、intellectual challengeの話は全く別)

ってことですね。

IMG_1421.JPG

続いて、英語で仕事をすることに対し「行ける」と思った理由その2。

理由(2)英語力の成長速度に関しても、MBAよりも「100%英語環境での仕事」の方が全っ然上

生意気に聞こえるかも知れないが、インターンをやるまで、自分では、Kelloggに来て以来1年間で英語力は結構伸びたと自負していた。

一応、就職してから留学するまでの6年間、Berlitzにかなりintensiveに通ったり、英語の雑誌や本を読んでみたり、会社にいた外国人と積極的に話したり、TOEFL/GMATやエッセイ/面接対策も含めると英語にはそれなりの時間と労力を注いで磨こうとしてきたことになる。

それでも、Kelloggに来て一年が経って、そんなの所詮は付け焼刃に過ぎなかった、限りなく自己満足に過ぎなかったと思い知らされた。(もちろん、何もしないよりはましだが。)日本にいて日本人と日本語で生活/仕事をしている以上、相当限界がある。やはり留学してアメリカ人の中に入って、英語を目的ではなく手段として毎日当然のように使う環境に身を置かないと、劇的には変わらないんだねと深く理解した。(なので、英語が上手くなりたいなら日本でお勉強するんじゃなく、留学しちゃった方が早いというのは間違いなく正しいと思う)

ところが、今回のインターンで、もう二段、三段上のギアでの成長速度を体験した。MBAでの英語力の成長ですら、所詮は(言い方はキツいが)「お遊び」に過ぎなかったのかも知れないと思った。

英語力の成長幅で言うと、サマーインターンの2.5ヶ月分で、Kellogg1年目の1年分以上の幅で成長したような感覚値を持った。週単位で自分の伸びが体感出来るような、正に「成長の音が聞こえる」スピード感で変化したのを感じた。

「これ理解して貰わないとマジでやばい」、「本当に相手が言いたいことを深いレベルで理解しないと仕事にならない」、「この客獲らんと会社が潰れる」というレベル感/真剣度の中での実践は、ビジネススクールの生活とは全く違ったレベルでの英語力の成長をもたらした。

IMG_1418.JPG前職で、HBS出身の先輩が、「MBAなんか行っても英語上手くなんかなんねえよ。仕事で使わないと。自分の場合MBA卒業した時点じゃ全然仕事で使えるレベルじゃなかった。今の自分が喋れるのは仕事で使ってたから」と言っていたのを聴いて、「そんなもんかねえ」と思っていたが、今となってはその言葉の意味が非常に良く判る。MBAで英語が「全く上手くならない」というのはさすがに嘘だが、仕事での伸び率がMBAでのそれと並べると比べ物にならないくらい高い、というのは事実だと思った。

別の言い方をすると、「英語力向上」を無理やり数字で表すと、日本で独学で勉強してるだけで得られる単位期間当たりの伸びはせいぜい「1-3」くらいなので、MBAに行くことによって得られる「10-20」の伸びは非常に大きい。でも実は英語圏でがっつり働かないと本当にガチで戦えるレベルにはならなくて、逆に英語圏でがっつり数年働きさえすれば、「50」とか「60」とか、場合によっては「100」くらいのインパクトがある、みたいな感じじゃないかと。次元が違うって意味で。そういう感覚を持った。かなりラフな言い方ですが...イメージは伝わるかと。

要は、MBAの2年間だけでは、「何とか形にはなる」ものの、本当にグローバルな環境で大きなハンデ/ストレス無く快適に仕事が出来るレベルへのブレークスルーは生まれないんじゃないか、逆に100%英語環境の中で仕事で使いさえすれば、遥かに短い期間で比較的簡単にブレークスルーは起こるんじゃないか、と感じた。そんなに間違ってないと思うんすけどね。同じようなこと感じられてる方いらっしゃらないですかね??

IMG_1426.JPG

ともあれ、以上の二つの理由により、アメリカで英語で働くのは、当初想像していたよりも「全然行ける」と思うに至った。いや、もっと正確に言うと、最初の一年は確かに死ぬほど苦労するかも知れない。でも、少なくとも2-3年歯を食いしばって頑張れば、「全然行ける」レベルになるのは間違いないだろうなと。そう確信した。

てな訳で毎度のことながら異様に長くなってきたので、今回はここまでで一休み。

次回、残りの3つの学びについて書かせて頂きます。

IM Class of 2009

 

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 米国のベンチャーでのインターン(2)

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.kelloggalumni.jp/mt/mt-tb.cgi/215

コメントする

このブログ記事について

このページは、IM Class of 09が2009年1月18日 16:27に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「受験生への応援歌」です。

次のブログ記事は「GE CEO Jeff Immeltの言葉」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。