ビジネスの観点からの中国の魅力は、何といってもその市場の巨大さと成長性である。今更なのだが、イメージと結び付けるために手元にあるデータをみると、現時点で、生産面では世界の繊維・アパレル工場(アパレル生産シェアは衣料品の数量ベースで約70%)、世界の家電工場(カラーテレビ生産45%、PC年産一億台)といった事実、消費面でも世界第一位の携帯電話市場、世界第二位の自動車市場といった事実はやはり驚異的であろう。
内閣府の「日本21世紀ビジョン」では、世界の名目GDPに占める中国のシェアが、2030年には31%(⇔日本のシェアは9%)へと拡大し、米国の32%とほぼ並ぶと予測されている。そのような予想をどの程度信じるかは読者の皆さん個人の判断でよいと思うが、日本でキャリアを築くなかで、自分のキャリアを大きく揺さぶるような大きな中国ビジネスに遭遇する可能性は誰にでも少なからずあるだろう。
(北京大学南門)
次に、中国は何といっても日本から地理的に非常に近い。中国がWTOに加盟して以降、2000年代前半から徐々に進んでいる自由化の中で、日中間の経済的結びつきは著しく強まっている。その流れは、地理的な近接性も手伝って益々進んでゆくのではないだろうか。
文化的にも日中で共通する点は少なくなく、日本企業が、それを強みに事業を展開することが考えられる。特に国内市場の飽和・低成長に苦しむ日本の小売企業は、食生活が比較的近い中国を残された最後の高成長の望みの場とさえ見做している感がある。実際に北京で消費者として生活してみると、イトーヨーカドー、セブンイレブン、グリコ、キリン、サントリーといった企業の商品や広告がよく目についた。

(北京大学光華管理学院:ビジネススクール)
一方で、中国人とビジネスを行うのは、アメリカやヨーロッパの経済大国とビジネスをするよりも文化的な適応上の努力が必要だと思う。中国でのビジネスで、日本人の常識では考えられないような経験をしたという話は巷にあふれている。単に合理性だけではなく、中国人の強い文化的思考・行動特性を知り、信頼される人間として人脈を築く力がなければならない。
もちろん、中国には人権問題を含めた政治的問題があるという見方があることは私も理解しているし、反日感情も無視できない。経済もバブルだという話も聞く。それら経済的、政治的、文化的ファクターをひっくるめて、自分の体験をもってできるだけよく理解し、この国とどう向かい合うかを考えることが、重要な問題となっている。そうようなことを思いながら、北京に交換留学をすることを決めた。
09AT

(Google, Microsoftなどが社屋を構える精華大学サイエンスパーク:
北京・精華大学の周辺にはIT企業が集中している)

(北京大学構内にある未名湖)
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