Operations (1) - 何を学ぶのか?

| | コメント(0) | トラックバック(0)

こんにちは、YMです。

Kelloggというと世間では「Marketingの学校ね」という見方をする人も多いのは事実ですが、General Managementを重視したプログラムであり、Financeをはじめ他のどの分野をとってもトップレベルの一角と評価されているのがKelloggの特徴というのは、我々在校生としても機会があるごとに訴えさせて頂いているところです。

さて、そんな訳で今回はこのブログではあまり登場していないOperationsでどの様な内容を学ぶのかについて取り上げてみたいと思います。恥ずかしながら、私自身も実際にコア科目であるOperations  Managementの授業が半分位進むまで、何を学ぶことができるのか良く分かっておらず、当初は「製造業の生産管理とかそういった話?あんまり興味が無い。」と思っていたのですが、それが大いなる誤解であったことが後に分かりました。そして、いつの間にかOperations Majorが知らずのうちについて来る位Operationsの授業を取っています。きっと、アプリカントの皆さんの中にもOperationsのコンテンツのイメージが湧かない方もいらっしゃると思うので、参考にして頂けると幸いです。

Operationsで取り扱う内容は大別すると、(1) どの様に生産・サービス提供の効率を上げてROI (Return on Investment)を高めるか、(2) どの様に生産・サービス提供の川上から川下までのネットワーク(Supply Chain)を設計するかという二点につきると思います。

前者に関しては、仕掛品(サービス業だったら仕掛作業)をどう減らすか、顧客の回転速度をどう上げるか(出荷までのリードタイムをどう減らすか、サービス提供速度をどう速めるか)といったことが主なテーマになってきます。やや偏見かもしれませんが、特に金融出身者の場合、「そんなのどこかに無駄や非効率な作業があるのを直せば良いんでしょ。」と短絡的に判断しがちな様に思いますが、簡単な様で意外に奥が深いと感じたのが、組織の一部の業務を部分最適化しても意味が無い(かも知れない)ということです。

 

Professor Allon: コア科目であるOperations Managementの人気教授の一人
毎回教室内を歩き回りながらエネルギッシュな講義をしてくれます。

 

例えば3人で流れ作業をやっているような状況で、先頭の人や真ん中の人がどんなに一生懸命作業をしても最後の人の作業効率が悪いと、二番目と三番目の人の間にどんどん仕掛品が溜まっていくのは自明です。そして、その仕掛品を作るために必要な原材料の調達やひょっとしたら先頭の2人の残業代に多額の資金が必要になっているかもしれません。すなわち、先頭の2人が一生懸命作業をすればするほどROIが低下していくという状態です。簡単な例なので、当たり前の話に聞こえますが、より様々な部署が複雑に絡み合っている組織の中に居ると、意外とそれに気がつかず、とりあえず目につきやすい部分的な非効率を是正することに注力しがちなのが現実だと思います。

私も、入社直後にお世話になった直属の先輩社員の方が仕事熱心な方で「暇そうにしているやつはオレが許さん」という感じだったこともあり、とにかく誰かが少しでも努力の度合いを上げたら組織の生産性は上がると思っていました。しかし、繰り返しになりますが、組織の中の一連の作業の中でプロセスを遅らせている部分(ボトルネック)の効率を上げるという「全体最適化」をしないと、部分最適化のために無駄なコストが掛かるだけです。ひょっとしたら製造業で生産管理を担当していらっしゃる方や、コンサルティングファームでオペレーションのプロジェクトを担当した経験のある方からすれば当たり前のことなのかもしれませんが、個人的にはそれなりに衝撃的な学びでした。

ちなみに、もしこの記事を読んでOperationsに興味が湧いたという方は、"The Goal: A Process of Ongoing Improvement"(Eliyahu M. Goldratt著)を読んでみて下さい。Kelloggのコア科目であるOperations Managementでは必読書にされていますし、恐らく他のビジネススクールでも副読本等になっているのではないかと思います。日本語訳も出版されていますし、読んでおいて損は無いと思います。

GOAL: GOAL

 

とまあ、ちょっと堅い内容になってしまいましたが、同時にお伝えしたいことはアカデミックという観点では自分の興味(学びの広さ&深さが大きいと感じる分野)が変わる可能性も高いので、特定の分野だけでなくどの分野の授業も充実しているというのは重要だと思われるという点です(ちょっとKelloggの宣伝です)。逆説的ながら、「MBA出願時に期待するアカデミックな分野 =ある程度関心があって内容が分かっている」ことも多く、むしろ関心が無かった分野の方が勉強になるし面白いかもしれないと感じています。同級生の間でも履修の方向性が入学前に想像していたものと変わっている方が多数いらっしゃるので、恐らく私だけが異常値では無いと思います。

長くなってしまったので、Operations で取り扱うもう一つの内容と書いたSupply Chainについては、次回、Operationsの名物教授であるProfessor Chopra (CurriculumとTeaching担当のSenior Associate Deanでもあります)のSupply Chain Managementの授業と合わせてご紹介したいと思います。


YM

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: Operations (1) - 何を学ぶのか?

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.kelloggalumni.jp/mt/mt-tb.cgi/199

コメントする

このブログ記事について

このページは、YMが2008年11月30日 08:00に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「サマーインターンシップについて」です。

次のブログ記事は「交換留学生のクラブ活動」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。