
Class of 2009のたけです。
かなり時節外れですが(申し訳ない!)
アメリカでのサマーインターンシップ体験について触れてみたいと思います。
そもそもインターンシップ(日本語だと「実習」でしょうか)というのは日本の企業出身者にはあまり馴染みのないものですが、被雇用者ではない者が企業で実習(on-the-job training, OJT)を受ける機会である、と私は捉えています。
日本でも、欧米に倣って少しずつインターンシップ制度を取り入れる企業も出てきているようですが、アメリカの特にMBA界ではしごく一般的に行われています。
MBAにおけるサマーインターンシップでは、企業側の「適性の高い人材を早めに確保しておきたい(いわゆる青田刈り)」という動機と、学生側の「望みの企業に早めにアピールしておきたい」というインセンティブが合致して、一大市場を作り出しています。
学生側の欲望としては、上記の「本命に早めにアピール欲」以外にも、未経験の気になる業界とのフィットを確かめたい、この職種で働いてみたかった、アメリカの企業で働いてみたい、とにかくあちこち顔を出してみたい、といった、知的「味見欲」「覗き見欲」もあります。
MBAの採用を予定している日本企業の、日本でのサマーインターンシップ権(就活同等のチャレンジが要求されます)を獲得する活動は、早いケースではMBA合格後・学校入学前に日本で行われる合格者向けイベントや企業別説明会から始まり、秋の第一学期間を通して行われる本格的なサマーインターンシップ権獲得戦に発展します。
従って、日本での就職を視野に入れている多くの私費留学生は入学後しょっぱなの秋学期に、「新生活適応」+「勉学克服」+「インターンシップ権獲得戦」という三重苦を強いられることになります。
一方、アメリカ企業向けサマーインターンシップ権獲得戦は、1月開始の冬学期以降が一般的です。
私の場合、卒業後の就職先候補が既にあったため、日本企業ではなくアメリカの特定業界(製造業)で業界構造、カスタマーコミュニケーション、エンプロイーマネジメント、オペレーション、R&D、安全衛生管理などを学びたいと思っていました。
そこで、私は冬学期に入ってから、ケロッグの頼りになる教授と、センターやプログラムのdirector数人に、1.希望の業界、2.地域、3.オーナーシップ形態、4.CPG('consumer package goods)ブランドがあること、5.企業のスケール、6.OJTを希望するdepartments(実はほとんど全て)、そして7.リクルーティングを受けないことを、私のバックグラウンド・将来像・インターンシップ中に貢献できそうな分野とともに伝えて、半年先のサマーインターンシップ先につながりそうな企業や人物の紹介をお願いしました。
すると、さすがあらゆる業界に存在感のあるケロッグ。あっと言う間に7つ?8つのコンタクト先を紹介され、それぞれを基点に次々とコンタクトしていくことができました。
最終的には、最も希望条件に合ったシカゴエリアの製造業で念願のサマーインターンをさせてもらえることになりました。
そもそもケロッグでは一年生と二年生の間に、夏休みが2ヶ月と3週間ほどありますが、私の場合、うち7週間をこの一社でのサマーインターンに、残りを一緒に来ている家族と過ごす時間に充てました。
インターン期間中は、CEO,CFO,CMO,COOを含め、
総勢23名のマネージャー達に各ファンクション・オペレーションについて
幹部候補生さながらにOJTを受けさせて頂きました(次表)。
この企業が属する製造業界は川下から、Consumers → Retailers → Wholesalers → Distributors → Manufacturersという構造になっており、更にRetailersとManufacturersの間を繋ぐ存在としてindustry-specializedなconsultantsやbrokersが介在しています。
とは言っても、完全に別の役者が各舞台を担当している訳ではなく、一人で何役もこなす役者もいます。それがWal-Martであり、JewelやDominick'sといったRetailer brandsを複数持つ企業(SuperValuやSafewayなど)です。
このようにvalue chain上の複数の機能を束ねて保有することをVertical integrationとよく言いますが、それはscale of economyとcontrol over value chainをより高レベルで達成するためにRetailers - Wholesalers - Distributorsの機能を一括保有する戦略です。中にはさらにprivate labelを積極導入することによりメーカー(Manufacturers)の存在感をも脅かしているチェーンもあります。
社内の事情に関しては、インターン先とnondisclosure agreementを結んでいるため具体的には書けませんが、主に下記のようなことに焦点を絞りながら、現場で学ばせてもらいました。
●経済動向を加味したmarket trendの洞察
●Brand equityとEngineering assetsを考慮したR&D
●Competitive intelligenceとそれに基づくBrand展開あるいは縮小
●季節的品質・価格変動を考慮した原材料の選定
●高生産性とlean operationのための、third-party storage and logisticsによるJIT(Just In Time)とproduction全体および各工程のstreamlining
●製造部門の安全と衛生管理のための改善
●固・液・気体廃棄物の効率的処理法
工場遠景。
外部コンサルタント、業界ブローカー、マーケティングパートナーとの打合せも交えながら、最後には全米からRegional Managersを集めた全体会議にも出席させてもらいました。
合宿のような会議期間中にも、夜には野球観戦などで息抜き。
WhiteSoxの本拠地U.S.Cellular Fieldのレストランでこちらの人達はこんなもの(2色アイス+クリーム+M&M)を当然のように食べ尽くします・・・。
最終日には、アメリカお約束(?)のゴルフ。
サマーインターンシップ在籍中に、私の貢献できたポイントは主にオペレーション系でした。
1. 各工程間の動線のうちコンテナー洗浄に関わる線の短縮案
2. 製造工程中の律速段階の同定と、debottlenecking案
3. 導入したての自動秤量機のばらつき測定・分析、
4. 最終梱包工程での安全対策(「改善」)
しかし徒労に終わった努力も多々ありました。
Promotion materialsに関してのアイデアは一点採用&一点不採用。
プロダクトデザイン系のインプットも何点か提出したものの、
生産上・コスト上の難点から、
却下!
High-end segment向け 別brandのアイデアに対しては
Engineering的には問題ないが、
製造部門の稼働率がmaxed outしていること、
新しいBrand構築に注力できるアセットが現段階ではないことなどから、
却下!!
まぁ、そんなもんです・・・。
こちらとしてはMarket size, Profitability, Production feasibilityなどを理解した上で、提案をしているつもりでも、社内外のアセットや歴史などから総合的に判断すると、違った結論が出る(あるいは既に出ている)ことは当然あります。
立ち返って見ると、そもそも各ファンクションのエキスパートが何十人も寄ってたかって数十年かけて磨き続けているところに、よそ者がやって来て数週間で「ハイ、これが完璧なソリューションです。」なんてのは、どだい無理な話です。
通常サマーインターンシップは、企業の一部署が学生向けに工面してくれた「宿題」をやらせてくれて、お金までくれる機会だ、ということを理解したうえで、サマーインターンを経験される場合は
お返しのビッグインパクトを与えられなくとも落胆する必要はない、と覚えておいてください。
一番大切なことは、今すぐにではなく、入社後に大きな貢献ができそうかどうか、そのために最も大切なコミュニケーション力を備えているかどうか、だと思います。
Leadership through Teamworkを長きに亘って標榜・実践しているケロッグで一年を過ごした後の皆さんなら、充実したサマーインターンシップを過ごせると確信しています。
不安と気負いでいっぱいだった私自身も、インターン先の方々と毎日一緒に働いている間に受け入れてもらうことができ、最終日は社員の皆さんとのハグと涙の嵐で終えることができました。
お別れパーティーで用意してくれたケーキ。
最後に私がCEOから学んだkey takeawaysのうちの一つを記して、結びとします。
"As a general manager, you don't have to know everything;
you have to have right people
and know whom to talk to, to know everything."
終了証を持って。
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