Net Impact Conference

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日本ではビジネススクールというと、なんだか個人的な金儲けや栄達にだけ関心がある人が行く所で、社会問題の解決や公共善の増進などとはやや縁が薄い存在なんていうイメージで受け取られがちです。

しかし、アメリカのビジネススクールに通う学生たちのの社会起業やフィランソロピーに対する関心の高さには目を見張るものがあります。アメリカでは、一昔前のように、既に成功したビジネスリーダーが余力でフィランソロピーにも関心を持つというのではなく、バリバリ現役のリーダーたちや、将来のリーダーの卵たちも、本気で(ビジネスと同じくらいの比重で)社会への貢献を考えている人たちが、日本と比較して圧倒的に多い気がします。

そんなアメリカのビジネススクール文化を象徴する団体がNet Impactです。ビジネススクールに通う学生の中で社会問題やノンプロフィット活動に関心のある人たちがクラブを作り、各校のそうしたクラブのネットワークとして1993年に生まれた団体で、ケロッグでもその支部にあたるSocial Impact ClubConsulting ClubFinance Club等と並び、学内最大規模のクラブの一つになっています。ケロッグに限らず、まず米国の主要なビジネススクールのどこに行っても、Net Impactの支部にあたるクラブがあるはずで、今ではビジネススクール以外の大学院生や学部生、それに社会人まで加わって、メンバー数は1万人以上にのぼります。支部も世界中に広がっていて、日本にも支部があります。

RIMG2671.JPGそのNet Impactannual conferenceが今年はフィラデルフィアで11/13-15に開催されたので、私も参加してきました。今年のテーマは"The Sustainable Advantage: Creating Social and Environmental Value"。我等がケロッグ卒業生で、日本でも最近知名度が上がってきているRoom to ReadCEOJohn Woodや、World Wildlife FundCEOCarter Roberts等による基調講演のほかに、

  • Corporate Social Responsibility
  • Energy and Environment
  • International Development
  • Social Impact Finance
  • Social Entrepreneurship

という5つのトピックに関連した多種多様な分科会が開かれました。今年のオーガナイザーがファイナンスに強いWharton Schoolだったせいもあってか、昨年よりややファイナンス絡みの話題が多かった気がします。

分科会の数が多すぎて、全てを覗くことはとてもじゃないけど不可能ですが、私が参加した中から個人的な感想をいくつか。

  • 一番印象に残ったのは、Mission MeasurementCEOJason Saulによるワークショップ。彼は、私が現在Kellogg Board Fellowsプログラムを通じてboard memberとして参画しているCenter for What Worksco-founderでもあります。「単に漠然と社会のためになることをするというCSRは、もはや過去の遺物("CSR is dead")でしかなく、今後はCEOが追っている経営指標に対してどのような効果があるのかを示すことができるようにならなくてはならない」という彼のメッセージは、今まで聞いたどんなCSRに関する話よりも私の腑に落ちました。ポーターの言う「戦略的CSRを、抽象論からオペレーショナルなレベルに落とし込むためには、彼らが勧めるようなファクトベースのマネジメントアプローチが必要になるのだろうと思います。
  • ソーシャルビジネスを制度面で支援する動きが、加速度的に活発になっています。Low-profit Limited Liability Company (L3C)という新しい法人形態が今年の4月にバーモント州で初めて採択され、社会的ミッションを持って活動している団体であれば、法制上制約の多い非営利組織でなくても、慈善財団からの資金を受け入れやすくなりました。また、B Labを中心とするソーシャルビジネスの連合体もプレゼンスを高めていて、B Corporationの法制化を目指しています。 近年政府がソーシャルビジネスに対する積極的な支援策を次々と打ち出している英国に比べ、米国は制度面でやや出遅れている感があるため、オバマ新大統領に対する期待は高いものがあります。
  • 社会資本市場への関心も、昨年より格段に高まってきているのを肌で感じることができました。ムハマド・ユヌス氏が2006年ノーベル平和賞の受賞スピーチや『Creating a World Without Poverty: Social Business and the Future of Capitalism』でSocial Stock Exchangeの創設を提唱したことによる効果が大きいようです。彼の言っていることに特に目を見張る斬新なアイデアがあるわけではありませんが、その影響力は絶大。実はこの分野には、私も個人的に強い関心を持っていて、ケロッグの友人たちと一緒に、ソーシャルビジネスのためのメザニン資本取引仲介のビジネスプランを書いたり、来学期はサンパウロ証券取引所のSocial Stock Exchange創設プラン作成プロジェクトに参画することになっているのですが、今回のNet Impact Conferenceへの参加はとてもよい情報収集・交換の機会になりました。

Chul

 

 

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このページは、Kellogg在校生ブログAdminが2008年11月23日 15:12に書いたブログ記事です。

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