エバンストン生活、というよりもむしろアメリカ生活、アメリカ文化の話として括った方がいい類の話だが、再びミュージカルネタ。前回と同じくシカゴで見た、Avenue-Q。
前回のJersey boysと違い、今回は完全にコメディ。最高に面白かった。非常にアメリカ的というか、ニューヨーク的で。妻と二人で大笑いして帰ってきた。
このミュージカルの面白さの一つは、人間と人形(セサミストリートのパクり)が混在してやっているところ。最初は人形を持ってる役者が丸見えで人形のセリフを喋ってることや人形を持ってない普通の人間キャラもいることに物凄い違和感があったが、見てるうちに慣れ、人形も完全に血の通った、感情を持った人間に見え始め、完全にこの劇の世界観に取り込まれてしまった。(途中で人形を持つ役者がスイッチして、声色を変えて複数の役者が一つの人形の声を演じたり、結構面白かった。)NYにあるAvenue-Qというオンボロアパートを舞台にした話。基本面白おかしくなのだが、「インターネットって結局ポルノのためだろ?」とか、「僕らってなんだかんだ言って皆少しだけracistだよね」などといった、ぶっちゃけリアリティ系のネタを扱ってて、ちょっとシュール。
その中で非常に印象に残ったのが、冒頭の"It sucks to be me"という曲。(曲自体も頭に染み付いてしまって未だに無意識に口笛で吹いてしまう...)
主人公が「俺せっかく高い金払って名門大学の英文学の学位を取ったのに、就職で何の役にも立ちゃしねえ。人生の目的も分からないし、俺って...マジ終わってるよね!」と言えば、横にいる売れないコメディアンキャラも「俺だってガキの頃はバカ売れして超有名なコメディアンになろうと思ってたのに、全く鳴かず飛ばずで今や32歳だぜ。お先全く見えねえし。俺の方がやべえよ!」。
マンションの管理人も「いやいや、私なんてやりたいことしにNYに来て、せっかく学位も取ったのに、お客さんも見つからずに、しかも韓国レストランで働いてるのよ、日本人なのに。私の人生の方が超終わってるよ!」。で、他のメンバーも「いやいや私の方がダメダメだって!」と、皆して、それなりに深刻な状況をネタにしちゃって、『僕/私ってマジ終わってる自慢』をしまくる、それも物凄く陽気に面白おかしく、というシーン。お客さんも大爆笑。
今回生まれて初めてアメリカに住んでみて、アメリカの文化を体験して、その好きなところや嫌いなところにいろいろ気付かされてきた。で、その好きな側面の一つが、この、自分のことを面白おかしく卑下して、落として、それで笑いを取る、という笑いのスタイル。
もちろん、日本の笑いや合コントークでも良くやる(「すべらない話」でもこの切り口が頻繁に使われるのを見る。おかんやレズの姉や残念な兄といった家族まで枠を広げるとさらに)けど、アメリカは結構あけっぴろげにど派手にやる気がする。しかも結構深刻なネタを陽気に笑い飛ばしちゃうという。
こいつホントいい奴だなー、interpersonal skill高いなー、と感じるクラスメートの多くも、この手のネタの引き出しを気前良く空けて初対面の相手のガードを完全にこじ開ける。
いやー笑った笑った。そしていろいろ勉強になりました。しかし、これまでミュージカル系は幼稚園の頃に両親に連れて行ってもらった劇団飛行船(ミュージカルじゃないか?)以来完全に興味のスコープ外だったが、こうやって見てみると、相当、いい。お金と時間の問題でそんなに頻繁に行ける訳じゃないだろうけど、たまにはいいかな、と思った。
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