アメリカのベンチャーでのサマーインターン

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あと3週間で春学期も終わり、約3ヶ月の夏休みに突入する。気付けば去年の7月にエバンストンに訪れてから、一年。あっと言う間だったという人もいるけど、自分に取っては長い一年だった。日本で働いていては得られなかった多くの刺激を得て、新しい思考や感情を促され、自分という人間の幹の部分が変化し始めていることを感じる。

夏休みに入ると、ほとんど全ての日本人Kellogg生たちが、サマーインターンとして働くべく、各地の企業に散っていく。多くの方が日本の投資銀行やコンサルティングファームで働くために暫し帰国する。

僕はと言うと、日本人のMBA留学生としては少し特殊なパターンだが、最終的に、地元のベンチャー企業で働くという選択肢を選ぶことにした。
(ちなみに、アメリカでは日本語のベンチャーのことをStart-upと呼ぶことが多いので、以下、そう呼ばせて頂きます。)

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派遣元の企業から採用に直結するサマーインターンを禁止されていたため、どうしたものかと考えていたところ、Kelloggに、フルタイムの採用とは直結しない形で学校から企業に派遣されるというスキームのプログラムが二つあることを知った。

共に、Kelloggが近年力を入れ、徐々にビジネススクール界でも有名になりつつあるアントレ学部(Entrepreneurship & Innovation Program)がホストする形で数年前に始まったもの。

一つは、KEIP (Kellogg Entrepreneurship Internship Program)というもので、学部がコネクションを持つ100くらいあるスタートアップ企業の中から一つを選び、学習の一環として学校から派遣されるというもの。もう一つはPEIP (Private Equity Internship Program)と呼ばれるもので、こちらはPrivate Equityで働く形。

 

3C6FCCCDC20(15).jpgともに、ビジネススクールとしては非常にユニークなプログラムだが、要は、Start-upやPEなど、そこで短期的に働いてみたいという学生が多い一方、その特性上なかなかインターンの機会も少ない、そこで、学校がサポートする形で、給料の半分を学校が払い、位置づけとしては「ケロッグの学生に学習の機会を与えるプログラム」という立て付けにすることで、企業側の参加のハードルを下げるというもの。企業としては安い給料で(世間的に見て相対的に)優秀なKelloggの学生を雇うことができ、さらに、Kelloggのために貢献してますよ、という慈善事業的なクレジットも取れるという仕組み。もちろん、中には本当にいい学生がいれば、フルタイムのオファーを出してしまうということも視野に入れた企業もあると思われる。

学生側としては、このプログラムを通して、一人でやったらとんでもなく大変な、ベンチャーやPEへのネットワーキング、売り込みのプロセスを省けるというもの。

 

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Kelloggとしても、EntrepreneurshipやPrivate Equityに対して恩を売ることでコネクションを強化でき、また、その分野に興味のある学生を惹きつけられると共に、彼らに経験を積んでもらい、育って貰える、もっと長期的に言うと、それらの世界で将来的に活躍していき、Kelloggのブランドに貢献していくという面も。

企業側にとっても学生側にとってもKelloggにとってもいいこと尽くしという、Win-win-winな仕組み。こうやって、面白い/役に立ちそうな何かを思いついたら、既成概念に捕らわれずゴリゴリと形にしてしまうところ、何ともKelloggらしい。

実はこの仕組みについては入学前には知らなかったのだが、たまたまKelloggにその仕組みがあって非常にラッキーだった。

ちなみに、実際にこれらの仕組みを選んでいる学生を見渡すと、いくつかのパターンがあるように見える。

● 自分と同様、社費派遣で就職活動をする必要が無い/禁止されていて、一方で3ヶ月遊ぶのもなんだし、何か面白いことしよう、というパターン
● かなり真剣にPEまたはEntreでの就職/起業を考えており、実際に経験を積む、コネクションを作るという明確な目的意識を持ったパターン
● アメリカでの就職を目指してサマーインターンを探していたものの、望んだ企業でオファーを貰えなず、でもどこかで働かなくちゃいけないインターナショナル学生

という感じ。

 

ho.jpg自分は当初はPEとEntreの双方を出願していたのだが、もともとプロフェッショナルファームで働いていたのと、PEには歳を取ってから行ける可能性もあるので、今しか出来ないextremeな体験、ワクワクするような体験をしようということで、最終的にEntreの方を選択することにした。

実際の派遣先企業を選ぶに当たって、春学期の間、候補企業の起業家たちと採用面接をいくつか行った。いずれもKelloggの卒業生か、Kelloggの教授たちのネットワークに属する方々。面接という建前があったものの、単純に、世の中で成功しているEntrepreneurたちとマンツーで話を出来るという経験自体が、素晴らしい体験だった。

 

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一人は、2000年のKelloggのパートタイムMBAの卒業生で、アレルギーフリーに特化した食品を作っているメーカーの社長。Kelloggのアントレの授業でビジネスプランを作ったところ、そのマーケットにチャンスがあることが明確に分かり、どうしても見逃すことが出来なくなり、ここでやらなかったら一生後悔することになると思い、会社に辞表を出して友人と共に起業したと言っていた。いろんな苦労をしてきたが、自分自身が経営の操縦管を握ること、自分の子供とも言える商品がお客さんに評価され、彼らから感謝の言葉を受けることは何事にも変え難い幸せだと言っていた。

その他にも、プロラクロスチームのオーナーや、子供向けのスポーツキャンプの主催者など、なかなか普段会うことの出来ない世界のリーダーたちと会う機会を得ることが出来た。

また、結局面接する機会は無かったが、他にもリストをザッと見た感じ、高級寿司のケータリングサービス、飛行機の機内食からピクニックまでをカバーするちょっとお洒落なお弁当を作る会社、窓枠に特化したB2Bオンラインマニュファクチャラー、ブランドの買取/再生に特化した投資ファンド、無料携帯電話サービス、ノンプロフィットなど、多岐に渡る選択肢があった。

 

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最終的に働くことに決めたのは、これまたKelloggの卒業生の方がやっているインターネット系のベンチャー。従業員は二人。地元のマンションの一室でやっている会社で、昨年ビジネスプランを書き始め、丁度ファンディングが終わり、今まさにこれからビジネスを立ち上げるという、所謂ガレージベンチャーだ。

自分が本当に重要な戦力として機能せねばならず、且つ、立ち上がったばかりのインターネット系スタートアップなので、短期間で戦略を書く、実際に手足を動かすことで直接貢献できるだろうという読みもあり。なかなかフルタイムの就職先としては働く機会も無いであろう、正にextremeな環境に敢えて身を置いてみたいというのもあった。

極端な話、自分がどういう働きをするかどうか次第で、その会社が一年後に無くなってるかも知れないし、成功して世の中に認知されていくことになる可能性も無くはない(あくまで、もしかしたら。。。)。"Cash is king"の状況の中で、Kelloggが半分お金を持ってくれているとしても、会社にとっては決して安くはない貴重なお金を払ってもらうことになる。重い責任を感じる。

6月の中旬には試験も終わり、実際にその企業で働き始めることになる。今から楽しみでもあり、不安でもある。

追って、また報告させて頂きます。

IM Class of 09

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このページは、IM Class of 09が2008年5月17日 06:58に書いたブログ記事です。

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