Interview 1: Oggy!!

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誰が数えたのかわからないけれども、ケロッグには1000のリーダーシップポジションがあるという。ケロッグで半年過ごしてみて、なんだか本当のような気がしてきた。なにしろKSAという1500人程度のケロッグ生を束ねる生徒会組織のリーダーもあれば、月に1度ほど行われる各種カンファレンスのリーダー、GIMやM-Labなど体験型の授業におけるマネジメント役、さらには新入生の歓迎イベントや学校公認のパーティーの仕切りまで多種多様なポジションが用意されている。

アメリカ人の比率が6割を超えるのでどうしてもアメリカ人リーダーが目立ちがち。日本人もきちんとリーダーシップを取っているけれども、実はリーダーグループの一員ということが多く(つまり内閣に入っているけれども)、Chair あるいはPresidentというクラブの長・トップ(つまり総理大臣)の立場を射止めた人間は正直なかなかいない。そんな中、今年創設されたばかりの Entrepreneurship Clubの初代Presidentに就任したのが、今回話を聞いたOggy氏。前職は大手電機メーカーのテクノロジーマネジャー。東京、そしてシリコンバレーでソフトウエアの開発やテクノロジー戦略策定に携わってきたプロフェッショナルだ。インタビューシリーズ1回目はリーダーシップに焦点を当てて話を聞いた。

まずどんなクラブか教えてくれる?

一言で言うとアントレプレナシップに関するケロッグの学生組織で、学校や業界などと連携しながら学生のアントレの支援をするもの。これまで存在していた  PEEK (Private Equity and Entrepreneurship at Kellogg) というクラブがこの春に二つに分かれたうちの 1つが我々だね。また、同時にノースウェスタン大学全体の学部間のアントレ系横断組織である InNUvation のケロッグ支部でもある。我々のクラブはまだ始まったばかりなので、具体的な活動は「60 日プロジェクト」と銘打って整理しようとしている。この学期中(6月まで)にクラブとしての方向性、方針を具体的に決めていきたいね。来学期になったら新 1年生にも参加してもらって、世代間でもインタラクションを増やしていきたい。今年の抱負としては、長期的にケロッグに根付く仕組みを作ること、次の世代にいいバトンを渡せるような活動をしていきたいと思っている。

今、あわせて5人でリーダーシップチームを組んでいる。自分はPresidentという立場なので、より高い視点でクラブ全体のことを考えようと思っているところ。他のリーダーメンバーにはそれぞれ担当領域がある。まずアカデミック担当がいて、アントレという視点から学生としてケロッグにフィードバックしていく役割を果たすリーダーがいる。次はアラムナイ担当。ケロッグの卒業生には面白い事業を起こしている人がいっぱいいる。例えば、コンサルティングのブーズアレンもそうだし、Crate and Barrel(アメリカの食器・インテリア店)といったお洒落なものとか。そういったところとの接点を増やし強化するということが役割だね。更には  VC・アーリーステージ企業担当。その名のとおり、学生の新規事業をサポートしたり、ベンチャーキャピタルとかスタートアップについてスピーカーを呼んだり、現地に赴いていくトレックを企画したりとかをやることになりそう。コミュニケーション担当は、学生とアントレクラブのコミュニケーションの促進だね。クラブのWebをつくったり、ニュースレターを送るのがとりあえずの仕事。今は、第一弾のニュースレターをレビューしているところ。空きポジションとしては、コーポレート・アントレプレナシップ担当がある。既存の企業の中でアントレをすると言うのも重要な要素と思っているので、この担当を創設してリーダーを募集したい。他には、例えばソシアル・アントレプレナシップ担当とかね。もちろん他のクラブとの連携をする担当も設けたいね。特に PE/VC クラブとは連携を強化していきたい。

ケロッグにはMajorの一つに "Entrepreneurship & Innovation" があって、例えば3度の起業に成功したEntrepreneurshipの権威ともいえるProfessor Rogersが教えるEntrepreneurial Finance という超人気授業もある。授業でおなかいっぱいという人もいると思うんだけど、クラブじゃないと出来ない、学べないこと、というのは何なのかな?
 
例えば、最初の事業アイデアはそもそもどうやったら出てくるのかとか、起業初期のメンバーを集めはどうするとか、ビジネスプランの作り方とか、投資家との交渉の仕方とか、エグジット(IPO, MBO など)をどの段階でどの程度までシナリオを描いたほうがいいのか、とか、色々授業で学べるところは多い。

でもクラブで、しかも特にリーダーという立場で携わると、クラスからは得られない多くのものを得ることができる。例えば、起業に携わる卒業生、業界に対してかなり強いコネクションができる。クラブの活動をしていく上で、教授たちともつながりが出来る。例えば、昨日も Successful Entrepreneurship というコースを教えるShefsky教授からメールがあって、ケロッグでスピーチしてくれそうな起業家を紹介してくれた。そういうことを通じて人とのコネクション、業界とのコネクションが出来るというのが大きいね。

中でもPresidentに応募したのはなぜ?

やっぱりリーダーシップのトレーニングになるということ。ケロッグの学生は、志も高くチームワーク力が優れている一方で、我も強く多様なバックグランドやニーズを持っている。そんな状況の中でのリーダーシップの経験が積める。一人の参加者として参加するのと、自分が仕切る立場でやるのとは大きく違って、注目も浴びるし、色々な場面で矢面に立つことになる。例えばイベントが失敗すると自分の責任になる。こういうプレッシャーを背負うのはいい訓練になる。

それと、ケロッグのアントレを良くしたいということ。既にある程度確立されているところも有るけれども、一方で改善するべきところも多い。その一つが、アントレクラブがなかったこと。他のビジネススクールには、ほとんどの学校にすでに存在していた。もちろんケロッグにもあったけれども、これまでPEEK (Private Equity and Entrepreneurship at Kellogg) というPE, Venture Capitalといった分野までカバーしたクラブの一部分だった。ケロッグ卒業後に自分で事業を起す人は決して多数派ではないけれども、起業家精神は既存の大きな組織などにとっても重要となるので、できるだけ多くの人にそれを意識してもらえるような活動がしていきたいな。アントレの授業でも、改善すべき点が少なくとも2、3はあると思う。
 

ケロッグの日本人を見ているとリーダー陣の一人にはなれても、トップのリーダーになれる人は少ない。OggyさんはどうしてPresidentに選ばれたんだと思う?他の日本人とはなにかが違うとか?

自分自身は 2 年生に選ばれたんだよね。アプリケーションプロセスとしては、エッセイ書いて、面接をしてという感じだったな。自分の場合は1年生のときもPEEKの活動に貢献していたから、そこで認められたんじゃないかな。

具体的には、今年の春のシリコンバレーのスタートアップを訪問するアントレトレックのリーダーをしたこと。この時期、多くの 1 年生が参加する GIM (Global Initiatives in Management) をあきらめる代わりにこのトレックを仕切ったからその功績が認められていると思う。リーダーシップ取るための指南としては、1年生のペイペイのときから頑張って、みんなに認められることも一つだね。

日本人は優秀だからリーダーシップのポテンシャルはある。コーディネーション能力は高い、インフラ整備というのは得意だと思うし、グループシンキングというところも強い。でも、発言する人が少ないな。日本的なメンタリティがあると思うんだよね。一人だけスタンドアウトしない、悪い言い方とすると、出る杭は打たれる、というか。

英語の問題で躊躇する人がいるけど、気にしてはいけない!!全く気にしてはいけない。例えば、今、リーダーシップチームの人と個別のミーティングをしているけれども最初に「オレは英語は出来ないから、オレの言っていることはわからないこともあるだろうし、オレも君の言っていることがわからないこともあると思うけれども、気をつけてコミュニケーションするからよろしく。」って言うようにしている。真剣に英語の訓練を積んでも、普通に日本で育った日本人がそれなりのレベルに到達するには  100 年はかかる(笑)。でも、リーダーシップ取るまで 100 年待てないでしょう。英語が出来てからやろうっていう考えはやめたほうが良い。同時平行的にやっていけばいいとおもう。

参加するだけじゃなくって、リーダーになって仕切る機会を強化すると、より一段階楽しいことがある。例えば、廊下を歩いているだけでもHi Oggy っていう感じで声を掛けてくる人が最近増えた気がするしね。身近な例で言えば。。。


最近のOggyさんの活動を見ると、大分忙しそうだけど、勉強には時間を割けている?

非常に忙しいね。昨日もクラスが 3 つあって、まずそこで 6 時間取られてしまう。更には、グループミーティングが 3 つ。なのでスケジュールは毎日パンパン。宿題もやらないといけないし、来週は中間試験もあるから試験勉強もしないといけないし、社交も大事だし。でも、グループのマネジメントの仕方によって作業量が減らせるね。クラブのPresidentって全部自分がやろうとしても駄目。他の人にいかに任せられるか。細かいところで言いたいところもあるんだけれども、そんなに口を挟まないで、他のリーダーにもオーナーシップを感じてもらいながら運営していくようにしている。睡眠時間を削って活動時間を作り出していることは確かだけれども、ゴールが確実に達成されているという感じがあるからかな。非常に楽しいよ。まだまだ道は遠いけれども、自分の進みたい方向にベクトルがきちんと向いているのを感じている。


家でも色々と作業で忙しいでしょう。奥さんはなんて言っている?

そうだね、色々忙しいところを支えてくれているので感謝に堪えません。でもまあ、楽しんでいるんじゃないかな。去年 7 月に結婚。8月にはアメリカに来ているから、エバンストンにいること自体が 2 年間の新婚旅行みたいなもの。非常に楽しくやっていますよ。


ケロッグに来て、あるいはビジネススクールに入って、ここが一番良かったというところはどこかな。

日本人・そうでないに限らず、こんなに元気で、やる気があって、献身的で、将来の夢があって、がんばっている奴らに囲まれる機会はなかなかない。世界中から志を持ってやってきた優秀な人々に囲まれて切磋琢磨できたのは心の底からよかったと思っている。こういう環境で自分も負けないでがんばろうというベクトルが出来たと思うね。


入学前の期待度からすると、何点ぐらい?

けっこう高めで 95 点。クラスと課外活動の両面で将来の仕事に生かせる非常に有意義な機会だし、大いに楽しめていると思う。アントレクラブのような課外活動では、ダイバーシティに富んだメンバーとクラブを運営していくのは楽しいし、ケロッグのチームワークも存分に味わえる。あとの 5 点は、さっき話したように、ケロッグのカリキュラムにアントレの授業をもっと充実したい、そしてアントレ業界とケロッグとのパイプを強くしていきたいというところ。これから自分の手で作っていきたいと思っている。そうした経験を通じて、将来、革新的な商品とかサービスを生み出して、世の中に変化を与えられる人材になりたいね。



(2008年4月23日 Jacobsにて 聞き手「け」)

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このページは、Kellogg在校生ブログAdminが2008年5月12日 22:58に書いたブログ記事です。

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