大学スポーツの奇跡(2)パラダイムを変えるリーダー(1)

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新たな歴史が作られた瞬間に立ち会った。

先日紹介した、Kelloggが所属する大学であるNorthwestern大学(以下NU)の、体育会女子ラクロス部「Wildcats」が、5月25日にBaltimoreで行われたNCAA women's lacrosse championship tournamentで優勝し、何と、4年連続で全米王者の座に着いた。前回も書いたが、創部からたったの7年で、しかも、ラクロスが盛んな東海岸ではなく、ラクロス後進地域の中部からという快挙。その模様をご報告。(前回の記事はこちら

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このMemorial weekendの三連休に、NCAA(全米体育協会)の男子ラクロスの準決勝+決勝、女子ラクロスの決勝を見に行った。男子はボストンのGillette stadiumで、女子はラクロスのメッカ、BaltimoreのTowson大学にて。三連休でシカゴから、ボストン、ボルティモア、ボストン、シカゴと移動するという強行軍。僕は、大学時代に日本でラクロスをやっていた関係で、このNCAAの決勝戦には強い思い入れがある。

IMG_0933.JPG男子ラクロスのFinal 4は正に世界最高峰の夢の舞台。プレーや戦術の参考にするためにそれほど擦り切れるほどビデオを繰り返し見ていた。思えば、自分が4年間をラクロスに掛けることになったのも、リクルーティングで見せられたNCAAでのVirginia大 vs Princeton大の試合がきっかけだった。(ファッショナブルで、パワーもスピードもあって、X-sports的で新しくてカッコよくて、一目惚れした。)

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アメリカに住む機会が有ったら是非生で観戦したいとずっと願ってきたのだが、遂にその念願かなっての初観戦。アメリカにいて、且つ、ある程度時間の自由度が高い学生のときにしか行けないと思い、思い切って行くことにした。男子は男子の方で最高の体験だったのだが、今回はまず、土日月の三連休の中日に行われた女子の決勝戦、我等がNorthwestern大の模様を報告させて頂こうと思う。

Kelloggの在校生ブログなのに何でラクロス...?って話なのだが、まあ、これもとあるKellogg生の留学生活の一部ということで...。加えて、やや強引だが、今回のこの話を見て、ビジネススクールのケースに出来るくらい、素晴らしいリーダーシップの事例だなと思ったこともあり。イノベーションによりブレークスルーを起こし、ゲームのルールを書き換えることで馬鹿勝ちする、という事例として。


IMG_0962.JPGクイックに、当日の実況

ボストンからボルチモアに飛び、空港から車で30分。いわゆる郊外よりももうちょっと田舎なエリアにTowsonは有った。夕暮れのTowson大スタジアム。試合開始前1時間半前に到着。静かな会場。澄んだ空気の中に緊張感が漂う。これから決戦を迎える選手たちの、そしてサポーターたちの闘気のバイブレーションがビンビン伝わってくる。

IMG_0969.JPG紫のNUラクロスのTシャツとキャップに身を包み、観客席に陣取る。(ちなみにこのTシャツとキャップは、先週知り合った、オーストラリアから観戦に来ていた、今大会のMVPの選手のお母さんから頂いたもの。ひょんなことから知り合い、彼女自身がバリバリのプロフェッショナルファームのパートナーだったこともあり、Kelloggの授業を見学したいということで、教授に紹介して見学をアレンジしてあげたお礼に。大事です。ネットワーク。)

IMG_1023.JPG今回の相手はPennsylvania大学。東部の名門大学代表。赤と紺と白。U-pennにはWhartonがあって、NUにはKelloggがあって、こんなところでも合間見えるとは。東海岸の名門対中西部の名門。何とも因縁めいた宿命を感じちゃいます。

IMG_0971.JPG実は今年のNU、リーグ戦を通して圧倒的な強さを見せていたのだが、19試合中、たった一試合だけ、負けている。その相手がこのU-Penn。その相手とここで再び合間見えることに。雪辱の場としてこれ以上の舞台は無いだろう。ちなみに、スポーツの世界では一般的に、リーグ戦の後にプレーオフで闘うと、特に実力が拮抗している場合、勝った方に無意識に慢心があり、負けた方は臥薪嘗胆で相手を研究し尽くし、戦法を変え、高い集中力で挑むため、過去の勝敗と逆の結果(リベンジ成功)になることは比較的頻繁に起こる。今回ももちろんそれに期待。

IMG_0978.JPG試合が近づくに連れ、Northwestern大のサポーターや選手の家族たちが集まる。今回はさすがに遠すぎるので、Evanstonのパブに集まりPublic viewingで観戦しているファンたちも多い。それでも、観客数は約1万人。加えて、米国全土の女子ラクロス関係者が大学スポーツチャネルのテレビ中継で試合を見ていると思われる。

IMG_0984.JPG試合は、序盤こそ、「勝って当然」、四連覇への気負いからか、堅さの見られたNUが最初に失点を許す。が、その後、本来のプレーを取り戻したNUは安定した強さを見せ始める。ボールの保有率、ルーズボール支配率、いずれの数字を見ても大きく勝っていたと思う。最終的には着実に得意のオフェンスパターンで得点を重ね、徹底したプレスディフェンスで相手にやりたいことをさせず、最後の5分は安全策でシュートを打たずにボールをキープし続け、10対6で危なげなく勝利。「ホントにこのチームにリーグ戦で負けたのかね?」と思わざるを得ないくらい、力の差を感じさせる内容で勝利。

  IMG_0993.JPGついに優勝の瞬間。本当にやってしまった。この人たち。凄い。四連覇。シカゴの(ラクロス的な意味での)辺境の地から出てきたチームが、創立7年で四連覇。感動で震えが来る。自分が所属する大学がスポーツ強くて良かった...わざわざ東海岸まで見に来て良かった...(これで負けてたらボルティモアくんだりまで出てきていったい何なのって悲しいことになるところだった。)

 

ふと、一歩引いて考える。「これって何なんだっけ...?」

さて、ここで大きな疑問が頭をもたげて来る。何でこんなに強いんだ?何でこんなに成功したんだ?成功のメカニズムはどうなってんの?

と同時に、これまでの試合を見てきて気になっていた「気付き」が、頭の中で解釈を求めて燻ぶっているいるのを感じた。

今回の試合を含めて、NUの試合を今シーズン3試合見た。Notre dame, Princeton, U-Pennと、いずれも東部の伝統的競合校。ここまで見て気付いたのだが、NUのやっている広い意味での「戦い方」(チーム作りやラクロスのプレースタイル)がそれら3チームと全く違うということ。これまでの女子ラクロスの伝統的なプレースタイルとは全く別のスポーツのような戦い方をしている。

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そこではたと気付く。なるほど、そういうことかと。こういう見方をすると面白いかもねと。

これって、競争戦略論なんかでよく扱われる、「ゲームの前提条件が変わるタイミングを見計らって、新参のプレーヤーが、ゲームのルールを新しく定義して、それについていけないでかくて遅い伝統的プレーヤーをメッタメタにカモりまくる」というパターンの、非っ常に典型的な判り易い例だねと。

それをやってのけたヘッドコーチのKelly Hillerは正に、数少ない、「他の人には見えないものを見て、新しい世界観を描き、ビジョンと情熱と信念で人々を共振させ、それにより歴史の流れをぐいっと変える力があるリーダー」の一人なんだなと思った。

てなわけで、次回以降、その辺の話を紹介させて頂きます。

IM Class of 09

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このページは、IM Class of 09が2008年5月31日 11:30に書いたブログ記事です。

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