ケロッグではGIMと呼ばれる地域研究のプログラムに多くの学生が参加する。これは冷戦時代にソ連についての勉強をしたいという学生が創設した授業で、今や日本、アフリカ、中東、南米、インド、中国など様々な国のプラグラムが存在する。単に海外への旅行を中心としたプログラムであれば主なビジネススクールのどこにも存在するようだが、ケロッグでは一学期間(一年目の冬学期)にわたる授業を通じて特定地域の勉強をしたうえで、春休みに約2週間の現地スタディツアーを行う。
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ツアーでは観光だけでなく、クラス全体での企業訪問の他、3- 5人のグループごとにそれぞれのテーマを持って現地企業等にインタビューを行い、帰国後レポートをまとめることとなっている。(GIM Chinaでの学生のレポートを集めた本「Kellogg on China」が発刊されている。)そして、プログラムの運営を、学生が主体的に行うのもケロッグならではの特徴であろう。
これから数回に分けて私が参加したGIM Emerging Chinaについて紹介してゆきたいと思うが、まずは私が努めたカリキュラムリーダーの仕事を紹介したいと思う。

GIM Emerging Chinaは、中国沿岸地域の主要都市だけではなく、内陸部の今後発展が望まれる地域にも目を向けようという趣旨で今年度から始まったプログラムだ。ケロッグの学生の間では中国は最も関心が高い国となっており、中国を含むプログラムは計3つ存在する。他の2つは、沿岸地域の発展にフォーカスするGIM Metropolitan Chinaと韓国も研究対象に含むGIM China-Koreaである。
GIM Emerging Chinaの場合、参加学生は35名、そのうち8名がクラスを運営するリーダーである。リーダーの構成は多様で、インド、中国、シンガポール、アメリカ、メキシコ、そして日本からの出身者が集まった。担当教授は、日本と中国に対する造詣の深いFinn教授であり、学生の自主性に任せていただきながらも、必要に応じてアドバイスをいただいた。私は中国系のシンガポール人であるChrisと二人でカリキュラムを担当した。従って私の仕事の中心はカリキュラムの設計と運営だが、プログラムの大枠は8名のリーダー全体で議論をして決めてゆく。カリキュラム以外にも現地訪問の旅程、予算、PR、現地卒業生等との連絡など毎週議論し、まさにリーダーチーム一丸となってプログラムを運営していった。こうしたチームワークを通じて友情を深めてゆけたことは、極めて貴重な経験となった。(なお、今年度は日本出身の学生がJapan, Russia, TanzaniaのGIMでもリーダーを務めている。)

カリキュラムリーダーの仕事は、現地訪問の前までに一学期を通じて行うクラスの運営でありその責任はとても重い。まずは各クラスで何を学ぶべきかの大枠を決める。現地訪問前の授業は合計9週間18セッションであるが、それを総論、政治・法律、持続的成長(環境問題等)、金融、マーケティング、不動産、オペレーションといったトピックで区切ることとし、各テーマ別に誰を講師として招くかということを決めて依頼をしていった。講師の大半は学外の実務家である。また、アサインメント、副読本は何にするか、といったことも同時に議論していった。

結果としては、担当のFinn教授にもかつて受け持ったクラスの中でも最もよい仕事をしたと言ってもらえた。各セッションの内容自体は外部講師の質に依存するため、完全に満足するというのは難しいところはあった。しかし、自分の努力が多数の学生の経験に大きな影響を与えるという状況で、自分の努力と仕事の質を通じて自分の価値を認めてもらえ、嬉しかった。
(続く)
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