中国旅行は春休みの2週間を利用して行った。行き先は上海、西安、成都、北京である。実は、当初はアメリカ人に人気が非常に高いチベットを旅程に入れていたのだが、出発3,4日前に起きた騒乱により旅程を変更した。

本や講義で一通りの勉強をしたとはいえ、実際に現地で都市や人々の様子を見て感じて得られるものは非常に大きい。特に非アジア系で海外経験も少なく育ってきたアメリカ人にとっては日本人以上に感じるところは大きかったようだ。素晴らしい発展を遂げる都市と生き生きと躍動する人々の姿の一方で、あちこちに残る貧困の影。更には言語の壁、慣れない人の波、あからさまな情報統制、不衛生な路地、くすんだ大気に代表される環境汚染など、実際に経験を通じて生じるストレスは少なくない。とはいえ、学期を通じて客観的に中国経済の姿やそこで成功を得るための困難さ、いかに文化的に大きな違いがあるかを認識した上での現地訪問である。自分の育った環境や文化との違いをどう前向きに消化するのか、個々人の学生が自分なりに考えてられていたように思う。
中国旅行を通じて極めて高いバリューを発揮したリーダーが上海出身のLinだ。彼女はケロッグに来る前に夫婦で二つの会社を起業するなどそもそもバイタリティに溢れているのだが、旅行を通じて本当によく中国についての話をしてくれた。中国企業訪問時には、通訳や学生の代表として活躍してくれた。
また、南京で2年間働いた経験があるアメリカ人のSteveの存在も大きかった。たった2年間でよくここまでと驚くほど基本的な中国語の会話ができ、そしてアメリカ人の観点をよく理解してクラスにコミュニケーションをしてくれる。リーダーとしての責任を完全に全うする。中国へ出発する数日前、しかも期末試験中に起きたチベット騒乱に対応して速やかに旅程を組み替えたのは彼のリーダーシップに拠るものだった。異文化を尊敬する姿勢が高く誰にでも好かれる人格者で、彼とチームワークを通じて交友を深めることができたのは財産になった。
私自身は、中国旅行を非常に楽しんだ。発展を遂げる都市には目を見張るものがあったし、友好的で純粋な現地の人も多かった。一方で、「No Japanese」と書かれたBarも目にした。(実はこれはFinn教授が見つけて、「あなたの教育のために」と写真を見せてくれた。幸いか、反日的なものを目にしたのはこれだけである。)また、アメリカ人の学生から日中関係の溝について質問されるとどう回答したものか困ったこともあった。日中関係にはとても深い溝があるのかもしれない。しかし、その溝を少しでも埋めるべく人間関係を築く姿勢は次世代のリーダーには欠かせないものだと思う。次回はGIM を通じて中国について考えたことを少し書いてみようと思う。
(続く)
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