2008年、Kelloggは開校100周年を迎える。学校では2008年度中は100周年(Centennial)を祝うイベントの計画が目白押しで、Kelloggという学校の歴史、作り上げられてきた独自の文化について改めて振り返ってみると、現役在校生としては感慨もひとしおである。これはKelloggに限ったことではないが、アメリカにおけるMBAの歴史を紐解くと、まさしく資本主義経済の発展の歴史そのものであり、MBAというものの存在意義を改めて考えさせてくれる。
一方、シカゴ市民にとって2008年はもう1つ大きな意味を持っている。そう、1908年にシカゴカブスがワールドシリーズを制覇してからはや100年。もし、今年シカゴカブスが優勝できないとなんと1世紀も優勝から遠ざかったチームとして不名誉な記録を残してしまうことになるのだ。シカゴカブスは球団創設以降フランチャイズを変更していない為、先祖代々カブスファンというような、物凄くコアで熱狂的なファンがおり、今年のカブスは「最後の優勝から100周年の今年こそは何かが起きて欲しい!」という地域住民の大きな期待を一身に集めている。
福留がやってきた!
そんななか、また一人、日本のサムライが海を渡ってメジャーリーグにやってきた。4年4800万ドルという破格の契約でシカゴカブスに移籍した、Mr.Kosuke Fukudome である。
一方、シカゴ市民にとって2008年はもう1つ大きな意味を持っている。そう、1908年にシカゴカブスがワールドシリーズを制覇してからはや100年。もし、今年シカゴカブスが優勝できないとなんと1世紀も優勝から遠ざかったチームとして不名誉な記録を残してしまうことになるのだ。シカゴカブスは球団創設以降フランチャイズを変更していない為、先祖代々カブスファンというような、物凄くコアで熱狂的なファンがおり、今年のカブスは「最後の優勝から100周年の今年こそは何かが起きて欲しい!」という地域住民の大きな期待を一身に集めている。
福留がやってきた!
そんななか、また一人、日本のサムライが海を渡ってメジャーリーグにやってきた。4年4800万ドルという破格の契約でシカゴカブスに移籍した、Mr.Kosuke Fukudome である。

2007年の冬に福留選手のカブス入りが決定してからというもの、いてもたってもいられなくなった僕は、2月には既にカブスのチケットを買っていた。熱狂的カブスファンを抱えるカブスのホームグラウンド、Wrigley Field でのカブスの試合のチケットはいい席はすぐに抑えないと一年分のチケットがあっという間に売切れてしまうとクラスメートに聞いていたので、メジャー開幕してすぐのシカゴカブス vs ヒューストンアストロズの試合チケットを販売開始した直後に購入した。そして、その日が来るのをひたすら待ち焦がれていた。
シカゴカブスには福留選手以外にも、日本のプロ野球ファンには馴染みのある2人の選手がいる。一人は、今や押しも押されもせぬカブスのスター、アルフォンゾ・ソリアーノ選手。ドミニカ出身の彼は、実は元広島カープの「カープアカデミー」で発掘され、かつて広島カープに所属していた。当時はまだ二十歳そこそこで線も細く、大した成績を残していないが、一軍でもプレーしていたのを記憶している。その後、ニューヨークヤンキースで才能が開花し、メジャーリーグのビッグネームになった。カブスへは2007年に移籍してきたこのドミニカンはファンへのサービス精神が旺盛なので、カブスファンもソリアーノが大好きだ。もう一人は、こちらもカブスの主軸を担うスター、デレク・リー選手。ロッテ・オリオンズのリー兄弟と聞けば、僕らの世代の野球ファンで知らない人はいないと思うが、何を隠そうこのデレク・リー選手はリー兄弟の弟、レオン・リーの息子である。
余談だが、日本のプロ野球とは対照的にメジャーリーグは"Jr (ジュニア)"が結構活躍する。一部事例を挙げると、
・ボビーボンズ(30本塁打30盗塁を何度も達成した名打者)の息子→バリーボンズ(いわずと知れた大打者。40本塁打40盗塁を達成。2007年までの通算本塁打762本。)
・ケングリフィーの息子→ケングリフィーJr. (万能プレーヤー。通算600号本塁打が射程距離内。)
・セシルフィルダー(日本で阪神タイガースの主砲として活躍。メジャー復帰後も本塁打王を獲るなど活躍)の息子→プリンスフィルダー(現在ミルウォーキーブリュワーズの若き主砲)
・トニーグゥイン(稀代の好打者。安打製造機。)の息子→トニーグゥインJr(現在ミルウォーキーブリュワーズ)
・名将カルリプケン(選手としては活躍せず)の息子→カルリプケンJr(衣笠の記録を上回る連続試合出場2215試合を達成した鉄人)、しかも弟のビルリプケンもメジャーリーガー
などなど。しかも多くの事例で、息子のプレースタイルは父親のそれと酷似している。この「親子」メジャーの成立には、野球の運動能力が遺伝的に継承されるということに加え、父親と同じメジャーリーガーを志し、本当にメジャーリーガーになってしまう、という物凄く確率が低そうに見える事象が重なって起きなければならないが、実例が数多く存在しているのを見ると、アメリカでは先天的な能力に加え、後天的な能力育成が大きく寄与しているように見える。日本も野球人口が減っているということだが、選手育成に力を入れて、是非名選手の息子に活躍してもらい、世代を超えた野球ファンを作り出していってもらいたいものだ。
さて、話は戻るが、ソリアーノ、デレクリーと日本に馴染みが深い中心選手がいるシカゴカブスに福留選手の加入。昔からのプロ野球ファンにとっても、実はカブスはたまらない魅力を持っているのだ。
試合観戦(Cubs vs Astros 4月5日)
メジャーリーグの試合も他のプロスポーツ同様、アメリカ国歌"The Star-Spangled Banner" の斉唱からスタートする。毎度のことながら、この歌は試合前に荘厳な雰囲気を作り上げる効果抜群だ。
The Star-Spangled Banner 斉唱の映像を見る
ゲーム展開は取ったり取られたりの攻防が続き、5-5の同点で迎えた7回裏、2アウトランナー1塁2塁という絶好のタイミングで福留選手の打席を迎えた。対戦相手のアストロズはたまらず、左投げのワンポイントリリーフを送り込む。さすがにこんな場面で送り込まれるだけあって、敵もなかなか切れのあるボールをコーナーに決めてくる。カウント2ストライク3ボールとなった時、球場のボルテージは最高潮に達し全員総立ち。球場全体を「FU---KU---DO-- ME---!」の大合唱が包み込む。そんなシビれる場面で、彼はまたやってくれた。ファールで2球粘った後、敵の投げ込んだ渾身の外角ストレートをレフト前に鮮やかにはじき返す2点タイムリーツーベース。こんな緊張する場面で平然とレフト方向に流してヒットを打つあたり、流石に修羅場を潜り抜けてきた選手の凄みを感じた。開幕戦は9回裏の福留選手の劇的な同点スリーランにも関わらず、残念ながらリリーフ陣が崩れてあっさり敗退したカブスだが、今日の試合は9-7で粘り勝ち。漸く福留選手の活躍が勝利という形で実を結ぶ結果となった。
福留2点タイムリーツーベース!の映像を見る
試合の後のファン達はもう大変な騒ぎ。球場周辺のスポーツバーは超満員で、皆夕方からビールとポテトを片手にカブスの勝利を称え合っている。僕もグループワークがあったので長居は出来なかったが、勝利の美酒を味わうべく、一杯だけビールを飲んで電車で帰路に着いた。

Cubs 勝利の唄 Go Cubs Go の映像を見る
まだまだシーズンが始まったばかりで、今後福留選手もどんどん厳しい攻めを受けることになるだろうから、競争の厳しいメジャーリーグでこのままの調子を保つことは大変だろう。しかし、福留選手を見ていると、本当に今年からメジャーに来た選手なのか?と目を疑いたくなるほど、"地に足が着いて"いる。これは完全に僕の推測だが、社会人時代・プロを通じて国際舞台で活躍してきた経験と彼自身の性格が、これまでの成功を支えているのだと思う。福留選手はオリンピックなどの国際試合で今まさにメジャーで活躍しているような選手と過去に戦ってきた経験があり、性格的には昔からマイペースで有名だ。マイペースというのは、自分のペースで物事を進められるということなので、軸がブレない、勝負の世界では自分の間合いで戦えるなどということに繋がる。これはまさしくビジネスパーソンにも求められる能力で、MBAという舞台で鍛えることが出来る能力そのものである。
当然ながら Kelloggには世界各国から色々なバックグラウンドの人間が集まってくるし、履修科目ひとつにしても選択肢が多く、ついつい自分を見失いがちであるが、気概とビジョンを持って残りのMBA生活を送りたいと、心を新たにした。福留選手のシカゴカブス入団は、一野球ファンとしての楽しみが増した以上に、ビジネススクールに通う一社会人としても、僕にとっては大きな意味を持った。
何はともあれ、今年の秋はシカゴカブスのワールドシリーズ優勝で全米がカブスブルーに染まることを期待したい。
頑張れ、福留!
シカゴカブスには福留選手以外にも、日本のプロ野球ファンには馴染みのある2人の選手がいる。一人は、今や押しも押されもせぬカブスのスター、アルフォンゾ・ソリアーノ選手。ドミニカ出身の彼は、実は元広島カープの「カープアカデミー」で発掘され、かつて広島カープに所属していた。当時はまだ二十歳そこそこで線も細く、大した成績を残していないが、一軍でもプレーしていたのを記憶している。その後、ニューヨークヤンキースで才能が開花し、メジャーリーグのビッグネームになった。カブスへは2007年に移籍してきたこのドミニカンはファンへのサービス精神が旺盛なので、カブスファンもソリアーノが大好きだ。もう一人は、こちらもカブスの主軸を担うスター、デレク・リー選手。ロッテ・オリオンズのリー兄弟と聞けば、僕らの世代の野球ファンで知らない人はいないと思うが、何を隠そうこのデレク・リー選手はリー兄弟の弟、レオン・リーの息子である。
余談だが、日本のプロ野球とは対照的にメジャーリーグは"Jr (ジュニア)"が結構活躍する。一部事例を挙げると、
・ボビーボンズ(30本塁打30盗塁を何度も達成した名打者)の息子→バリーボンズ(いわずと知れた大打者。40本塁打40盗塁を達成。2007年までの通算本塁打762本。)
・ケングリフィーの息子→ケングリフィーJr. (万能プレーヤー。通算600号本塁打が射程距離内。)
・セシルフィルダー(日本で阪神タイガースの主砲として活躍。メジャー復帰後も本塁打王を獲るなど活躍)の息子→プリンスフィルダー(現在ミルウォーキーブリュワーズの若き主砲)
・トニーグゥイン(稀代の好打者。安打製造機。)の息子→トニーグゥインJr(現在ミルウォーキーブリュワーズ)
・名将カルリプケン(選手としては活躍せず)の息子→カルリプケンJr(衣笠の記録を上回る連続試合出場2215試合を達成した鉄人)、しかも弟のビルリプケンもメジャーリーガー
などなど。しかも多くの事例で、息子のプレースタイルは父親のそれと酷似している。この「親子」メジャーの成立には、野球の運動能力が遺伝的に継承されるということに加え、父親と同じメジャーリーガーを志し、本当にメジャーリーガーになってしまう、という物凄く確率が低そうに見える事象が重なって起きなければならないが、実例が数多く存在しているのを見ると、アメリカでは先天的な能力に加え、後天的な能力育成が大きく寄与しているように見える。日本も野球人口が減っているということだが、選手育成に力を入れて、是非名選手の息子に活躍してもらい、世代を超えた野球ファンを作り出していってもらいたいものだ。
さて、話は戻るが、ソリアーノ、デレクリーと日本に馴染みが深い中心選手がいるシカゴカブスに福留選手の加入。昔からのプロ野球ファンにとっても、実はカブスはたまらない魅力を持っているのだ。
試合観戦(Cubs vs Astros 4月5日)
メジャーリーグの試合も他のプロスポーツ同様、アメリカ国歌"The Star-Spangled Banner" の斉唱からスタートする。毎度のことながら、この歌は試合前に荘厳な雰囲気を作り上げる効果抜群だ。
The Star-Spangled Banner 斉唱の映像を見る
ゲーム展開は取ったり取られたりの攻防が続き、5-5の同点で迎えた7回裏、2アウトランナー1塁2塁という絶好のタイミングで福留選手の打席を迎えた。対戦相手のアストロズはたまらず、左投げのワンポイントリリーフを送り込む。さすがにこんな場面で送り込まれるだけあって、敵もなかなか切れのあるボールをコーナーに決めてくる。カウント2ストライク3ボールとなった時、球場のボルテージは最高潮に達し全員総立ち。球場全体を「FU---KU---DO-- ME---!」の大合唱が包み込む。そんなシビれる場面で、彼はまたやってくれた。ファールで2球粘った後、敵の投げ込んだ渾身の外角ストレートをレフト前に鮮やかにはじき返す2点タイムリーツーベース。こんな緊張する場面で平然とレフト方向に流してヒットを打つあたり、流石に修羅場を潜り抜けてきた選手の凄みを感じた。開幕戦は9回裏の福留選手の劇的な同点スリーランにも関わらず、残念ながらリリーフ陣が崩れてあっさり敗退したカブスだが、今日の試合は9-7で粘り勝ち。漸く福留選手の活躍が勝利という形で実を結ぶ結果となった。
福留2点タイムリーツーベース!の映像を見る試合の後のファン達はもう大変な騒ぎ。球場周辺のスポーツバーは超満員で、皆夕方からビールとポテトを片手にカブスの勝利を称え合っている。僕もグループワークがあったので長居は出来なかったが、勝利の美酒を味わうべく、一杯だけビールを飲んで電車で帰路に着いた。

Cubs 勝利の唄 Go Cubs Go の映像を見る
まだまだシーズンが始まったばかりで、今後福留選手もどんどん厳しい攻めを受けることになるだろうから、競争の厳しいメジャーリーグでこのままの調子を保つことは大変だろう。しかし、福留選手を見ていると、本当に今年からメジャーに来た選手なのか?と目を疑いたくなるほど、"地に足が着いて"いる。これは完全に僕の推測だが、社会人時代・プロを通じて国際舞台で活躍してきた経験と彼自身の性格が、これまでの成功を支えているのだと思う。福留選手はオリンピックなどの国際試合で今まさにメジャーで活躍しているような選手と過去に戦ってきた経験があり、性格的には昔からマイペースで有名だ。マイペースというのは、自分のペースで物事を進められるということなので、軸がブレない、勝負の世界では自分の間合いで戦えるなどということに繋がる。これはまさしくビジネスパーソンにも求められる能力で、MBAという舞台で鍛えることが出来る能力そのものである。
当然ながら Kelloggには世界各国から色々なバックグラウンドの人間が集まってくるし、履修科目ひとつにしても選択肢が多く、ついつい自分を見失いがちであるが、気概とビジョンを持って残りのMBA生活を送りたいと、心を新たにした。福留選手のシカゴカブス入団は、一野球ファンとしての楽しみが増した以上に、ビジネススクールに通う一社会人としても、僕にとっては大きな意味を持った。
何はともあれ、今年の秋はシカゴカブスのワールドシリーズ優勝で全米がカブスブルーに染まることを期待したい。
頑張れ、福留!
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