やや宣伝のようにKelloggの学生が全米のトップスクールが集まるFinance系のCase Competitionでの優勝を独占している状況を紹介しましたが、ここではなぜKelloggがそのような強さを発揮しているのか、ということについて考えてみます。
また、ファイナンスでのキャリアを目指される方へKelloggに進学するメリットについての私の考えを書きます。

(Donald Jacobs Centerにやって来た渡り鳥の群れ)
Kelloggの活躍
まず、改めて今年のKelloggが全米のトップ校の中でどれだけ卓越した活躍をしているかをまとめたいと思います。優勝メンバーに重複はありません。
プライベートエクイティ系
Wharton MBA Buyout Competition 第一位、第三位
上場株投資系
Evergreen Investments Alpha Challenge 第一位
Cornell MBA Stock Pitch competition 第二位
投資銀行系
National IPO Challenge 第一位
(全米レベルの大会ではないですが、Chicago GSBとの対抗戦であるJP Morgan
Mergers & Acquisitions ChallengeでもKelloggが勝利しています。)
これらの大会の多くは、年始-春に金融業界への就職活動を行う学生が、少しでも面接等でアピールできる点を作ろうと考える傾向もあり、真剣そのものです。多忙なビジネススクールですが、特定の週末等に丸一日かけて集中的に行う形式の大会がほとんどのようです。
(なお、コンサルティング系のCompetitionは学校単位で行われる傾向にあるようです。)
Kelloggが強い理由
さて、これらの大会でなぜKelloggが強いのかという点ですが、このような活躍の後のメンバーのコメントや教授のコメント等をみると、まずKelloggの学生の協調性の高さとチームワーク力が強調されます。これこそ、Kelloggが全ての授業において徹底的にグループワークを課していることの成果とも言えるかもしれません。(ちなみに、いわゆる学生代表の選挙や各クラブの代表の選挙なども、Kelloggではチーム単位で立候補し選挙戦が行われます。)そして次に、伝統的にはMarketingのトップスクール、或いはGeneral Managementのトップスクールとして知られているKelloggですが、今やファイナンスの分野でもトップ5といった高い評価を得るようになっており、カリキュラムも学生の質も向上しているのではないかと思います。
Kelloggでファイナンスを学ぶメリット
Kelloggは、ファイナンスのキャリアを考える方にも魅力的な学校です。実際に、学生の多くがFinanceを専攻としています。私自身は、前職は投資銀行のM&Aアドバイザリーグループで働きましたが、いわゆる「ファイナンススクール」ではなく、Kelloggに来て正解だったと思っています。
なぜなら、まず、M&Aやバイアウト投資といった仕事では、会計や財務理論だけを学ぶのではなく、マーケティングやストラテジーなど多様な分野を学んで投資先の業界の構造、企業のビジネスモデル等を評価できる力を付けることが重要です。いわゆるフィナンシャルモデルなどは実務において効率的に身に付けられるもので、差別化要因にはなりづらく、むしろ将来のキャッシュフローを評価するかということが価値評価を決定的に左右します。投資銀行では、会計や財務理論だけを学ぶならの実務で揉まれるのがよく、MBAは必要ないという考えを持つ人が大半です。将来のキャッシュフローの評価というのは、結局その会社のビジネスを評価するということです。Kelloggでは、他校の追随を許さないMarketingに加え、OperationやStrategy等を含めて全体的に高い評価を得ています。そのような勉強の仕方をぜひともお奨めしたいところです。
次に、Kelloggには実際にアメリカの企業とプロジェクトを行うExperiential Learningの機会がそろっています。ファイナンス系であれば、Buyout Lab、Venture Capital Lab、Asset Management Practicum、Private Equity Internship Program等でクラスルームを飛び越えた生の経験をする機会があります。Private EquityやInvestment Banking関連のクラブ、コンファレンス、トレッキング(会社訪問)等も非常に充実しています。
最後に、KelloggはGroup Workを極めて重視していて、ファイナンスや統計といった定量的な教科であれ他の学生との議論する機会が豊富です。多くのいわゆる「ファイナンススクール」は、学生気質もあってか個人主義的なことで有名なところがほとんどだと個人的には認識しています。初めて海外に住む日本人学生が、英語をあまり話さずに(また友人もあまり作れずに)卒業してしまうという例も聞きます。もちろん、人それぞれのスタンスがあり、各校の良さがあるとは思います。とはいえ、せっかくの留学の機会だけに各国の学生と多く議論をする機会を持つのが日本人学生にとっては大きなメリットではないでしょうか。個人でレクチャーと本をもとに学んでファイナンスの演算問題で点数を上げるというような勉強よりも、ダイナミックなビジネス環境での応用力を養うためには、その場その場の真剣な議論が効果的ではないかと思います。
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