シカゴブルズ観戦記

Class of 09のIMです。
今日は、一年の中でも、Super Bowlと並んで最もワクワクする何日かのうちの一日。NBAオールスターゲームの週末だ。先ほどまで、ビールで飲んだくれながら、家でスラムダンクコンテストを見ていた。

opening (2).jpg感想は一言、『とっ、とんでもねえっ。。。』
昨年の覇者、Gerald Greenの、『ダンクをしながら、リングとボードの付け根に置いてあるバースデーケーキのロウソクの火を吹き消す』という、クリエイティブなんだが、なんだそのMonstrousな滞空時間は!!というダンクシュートを見せ付けられ、こいつは文句無しで優勝は決まったかな?と思ったその矢先。次代のNBAを担う「あの男」が、やってくれました。過去のNBAの歴史の中でも見たことが無いような超人的なフィジカル、すなわち、ため息の出るような完璧な骨格と、文字通りマンガみたいな身体能力の持ち主で、しかも今年のオールスターゲームの東軍のスターターでもある、Dwight "Superman" Howard。アリウープなのに右手でボールを一回ボードにタップして左手でそれをキャッチして派手にリングに叩き込むという、「つかこれはアン・リー監督のワイヤーワーク映画か!?」と見まがわんばかりの、新時代の幕開けを感じさせる驚愕ダンクシュートを見せ付けてくれた。(そして僕はブォッホーッと思わず派手にビールを噴き出してしまいました。。。奥さんごめんなさい)

さて、そんなテンションに乗って、今回は趣向を変え、番外編。学校の外での生活、シカゴライフ関連ということで、プロバスケ(NBA)のことについて書いてみようと思う。学校外での出来事も含めてこそのMBA留学、アメリカ生活という面もあると思うので。

1.シカゴのプロスポーツ

今回の留学に際し、自分が数あるトップスクールの中からケロッグを選んだ理由の一つに、「プロスポーツ環境」がある。
Kelloggがあるシカゴは、実は、トップビジネススクールのある町の中でもごく稀な、MLBのCubsとWhite Sox、NBAのBulls、NFLのBears、NHL(アイスホッケー)のBlackhawksという4大プロスポーツ、さらにはプロサッカーのFire、プロラクロスのMachineと、全てのプロスポーツが揃っている都市でもある。スポーツヲタク(というかスポーツカルト)の自分に取っては、正に涎が止まらない環境だ。街を歩いていても、いずれかのチームのウェアやグッズを誇らしげに身に着けている老若男女に相当な頻度で遭遇する。(ちなみに余談だが、Bearsの現役linebackerである Hunter HillenmeyerはKellogg MBAの生徒。) 

CEC1CDFD20(8).jpg2.(私事で恐縮ですが...)自分にとってのシカゴブルズ

さて、その中でも、バスケのシカゴブルズは、自分に取って特別な思い入れのあるチームだった。中学高校とバスケに熱中する少年時代を送っていた自分。折りしもシカゴブルズがJordanとPippenの2枚看板を擁した黄金時代、2度の三連覇を成し遂げた頃。謂わば典型的な『ジョーダン世代』であり、NBAイコールシカゴブルズ、ヒーローイコールマイケルジョーダン、エアージョーダンが最高の勝負靴という価値観の中で育った。NBAプレーヤーのトレーディングカードを買い集め、渋谷のワールドスポーツプラザで買って来たシカゴブルズのオフィシャルビデオを、文字通り擦り切れるまで、ナレーションやプレーヤーのセリフを覚えるまで繰り返し見て、いつかこの試合を生で見てみたいと夢想していた。そんな自分に取って、ブルズのホームコートであるUnited Centerは、正に聖地であり、あの牛のマークや白と赤のユニフォームを見るだけで胸が高鳴った。シカゴブルズの試合を生で何度も見られる環境は、正に夢のようだった。 IMG_0716.JPG

3.今年のブルズはどうかと言うと...

さてさて、そんなブルズだが、ジョーダン、ピッペン、フィルジャクソン監督の黄金時代後、彼らの引退/移籍に伴う、どん底暗黒時代を経て、少しずつチームを再建してきた。ここ3シーズンプレイオフにも進出し、上り調子にあった。が、しかし。今シーズンはというと。うーん、なんとも酸っぱい感じ。残念ながら折り返し地点のオールスターウィークエンド時点で21勝31敗で勝率4割ジャスト。Eastern Conference15チーム中10位というBクラスっぷり。せっかくここ数年ポストシーズンで善戦していたのに、こりゃあ今年はとうとうプレーオフは厳しいかなというダメダメモード。とほほ。。。

フォワードのLuol Deng、Andres Nocioni、ガードのKirk Hinrich、Ben Gordon、センターのBen Wallace と、派手さは無いが玄人好みの雑草職人軍団に加え、ドラフト一巡目指名のルーキーセンターJoakim Noah、76ersからのトレードで加入したユーティリティプレーヤーのJoe Smith という新加入選手も加わり、ファンの期待を集めていた。シーズン開始前のスポーツ記者による下馬評では、リーグ戦ではディビジョントップ通過、プレーオフで今年最大の台風の目、Boston Celticsとどこまでやり合えるか、なんて言われてたんだが、その勢いは一体どこに。。。
地元ファンからもため息が洩れ、酔っ払いから「スタメン全員売り払ってでもKobe Bryant連れてこいや!」とまで野次られ、衝撃のシーズン途中での監督解任劇にまで発展してしまった。


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4.何で勝てないか?

個人的には、非常にいいチームだと思う。プレースタイルも非常に好き。派手さは無いが、固いマンツーマンディフェンスでしっかり守り、事前のスカウティングに基づき相手の良さを確実に潰し、戦い慣れた仲間同士でのセオリー通りのセットオフェンスにより、5対4を作り、4対3を作り、3対2を作り、...最後に1対0を作って最も確率の高いシュートを、打てる奴が打つ。リスクを取って変なシュートを打ったり、1対2の強行突破を試みるなんてタブー中のタブー。全員が平均的に点を取り、誰かが1試合で20点を越えるほど偏って一人が点を取ることは少ない。全国のバスケ少年少女たちがお手本にしたい、教科書のようなバスケをしている。限られたタレントの中で、数字とロジックに基づいて、仕組みに担保された最も勝てる可能性の高い戦い方を磨きこむ。個人的には、大好きです。

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が、、、如何せん、どうにもこうにも、勝てない。なぜか?理由を考えてみた。
(以下は完全に素人の目から見た個人的な仮説なのだが...)

第一に、強い『個』が存在しない。オールスターに出るレベル、オールアメリカに選ばれるレベルの選手が一人もいない。Jordan, Pippen, Rodmanがいた頃のブルズからすると隔世の感があるが、今やシカゴ以外の都市に住んでいる一般的なアメリカ人は、ブルズの選手の名前を一人も挙げられないんじゃないかと思う。もちろん、理屈上、組織力を軸に戦うスタイルでも強いチームは作れるはずだから、それが直接の原因とは言えないのかも知れない。が、一方で、やはり接戦の最後に一人で試合を決められる力がある選手がいないのは辛い。爆発的に活躍して連勝の山を築いたり、長期的に低迷するチームをプレーとメンタルの両面で引っ張れるリーダーがいないのは、やはりチーム全体が本来持っているポテンシャルを引き出しきれてないという状況に繋がっているのではないか。

また、チームの戦術/スタイル故に、パフォーマンスがVolatileにならざるを得ない。つまり、安定して勝ちにくい。インサイドの強い選手が細かく確実に点を積み重ねるでもなく、突出した身体能力のフォワードが2人も3人も抜いてダンクするわけでもなく、かといってShow time系のガードが目の覚めるようなパスと無尽蔵のスタミナで掻き回しまくって攻める訳でもない。ただひたすらに、地味に、フリーを作って、ジャンプシュートという戦術。はまれば、確かに強い。が、どうしても、「確実に点を取り続けられる」オフェンスにはならないし、チームの数人のミドルシュートが不調だと末期的に点が取れなくなる。加えて、タイトなディフェンスが身上なため、後半の接戦で疲れてファウルが混んでくると弱さが露呈しボロボロになる。

最後に、スターがいないからといって、その分「それなり」の選手の粒が揃っていて選手層が厚いという訳でもない。スタメン以外はかなり落ちる。従って、スターターが怪我したりファウルアウトした場合のダメージがめちゃくちゃデカい。2枚目はまだしも、3枚目のベンチプレーヤーになると、相手に相当やりたい放題やられてしまう。


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要は全部ダメってことじゃん!という突込みが入りそうだ。そして、批評するだけなら誰でも出来る、じゃあどうすりゃいいのかって話だよ、ってとこなのだが。。。うーん、ごめんなさい。解無しですと(涙)。
一つあるとしたら、一説には、選手補強の弱さの原因は、お金を出し惜しみすぎるオーナーのスタンスにあるという話もある。ホントにそんなに単純な話なのかという気もするのだが、もしそれが本当なら、なんとかお金を掛けて短期的に選手を補強するのは安直ながらも正しい答えだとも思う。長期的に見ればビジネスとしてのROIもプラスに振れる可能性だってあるだろうし。

少なくとも、今の現有戦力を維持して、若手が成長すれば、そこそこ強くなるんじゃないか?という意見にはちょっと懐疑的にならざるを得ない。というのが、若くて伸びしろがある若手メンバーの伸びしろも、結構限定的じゃないかと思うから。サイズの問題、身体能力の問題。そして、現時点で既に持てる才能を限界までフルレバレッジして自分のスタイルで賢くプレーしている選手が多いとも思う。「荒削りだけど、未完の大器だよね」という感じのプレーヤー達ではないから。(以下、一応、未完の大器と呼ばれて久しい皆の人気者、キャプテン"Lu"ことLuol Deng。一試合に3回くらい、オールスター級のプレーを見せる。人間的には大好きだし、尊敬できる奴です。勝負弱いけど。)

http://www.nba.com/playerfile/luol_deng/index.html?nav=page

 

5.まあ、とは言え...

とまあ、どん底までネガティブなことを申し上げてしまったが、まあ、(得点機会を相当数反復して積み重ねるため、実力の差が如実に結果に繋がり易く、サッカーや野球やアメフトに比べて相対的に番狂わせが起こりにくいというスポーツの特性もあり)優勝を狙える幸せなチームなんて30チーム中いくつかしか無い訳だし、質の高いバスケの試合を見て、シーズン中の勝った負けたに一喜一憂して、好きな選手の活躍や挫折に感情移入して盛り上がる、という目的で眺める分には、非常にいいチームだし、愛着が持てるチームだと思う。それに、チームのパフォーマンスを、勝敗の絶対数ではなく、『選手に払ってるお金に対する勝率』とか、『持っている現有戦力(選手の才能や技術)単位量当たりの勝率』などの分母を指標に入れて生産性/費用対効果的に見れば、間違いなくリーグトップクラスのチームだろう。なんとも自己満足な指標だけど。まあ、ガキの頃から憧れてきたよしみもあるし、我慢強く今後も応援し続けて行こうと思う。今年も後半盛り返してプレーオフ行く可能性が無い訳じゃないし。

 

6.開幕戦観戦記

さて、最後に、今年11月に行った、シーズン開幕戦(対フィラデルフィア76es)での初観戦の模様を写真を交えて簡単にお伝えさせて頂きたいと思う。

電車とバスを乗り継いで会場のUnited Centerへ。公共交通機関が充実してるので、会場で飲んだくれて運転できなくなっても大丈夫☆バスの中はブルズウェアに身を包んだファンに囲まれ、弥が上にも盛り上がる。

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会場前のマイケルジョーダン像の前で記念撮影。台座に刻まれるキャリアスタッツを見てみる。改めて、とんでもない。キャリアを通してのトリプルダブル(得点、アシスト、リバウンドの全てで2桁)の数、40点、50点以上取っている試合の数など、今の世代のスターたち(LeBronやKobeやIverson)と比べても、数字上全く違う次元にいたことがわかる。文字通り、神です。


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エスカレーターを駆け上り、会場へ。思わず雄叫びを上げたくなる。(が、嫁に制止される)

CB20(3).jpgつ、ついに、あの憧れの、聖地United Centerにて感動の初観戦!試合前のアップ風景。この時点で何やら熱いものがこみ上げてくる。あわわわわ。。。

A5ABA5D6A5B920(3).jpg花火やら発煙やらレーザービームやらに合わせて、「あの音楽」が鳴り響き、選手紹介+入場。全身鳥肌。そして号泣。。。ぬおおおお!!ってどんな怪しいアジア人かと。もはや嫁もドン引き他人の振り。

  Opening.JPG 
身体能力が高く、アウトサイドからのシュートも非常にいいし勝負強い男、Ben Gordonの入場。いい選手です。

 

試合は、ブルズらしさを存分に発揮し、非常に締まった面白いシーソーゲームに。最後の最後まで勝敗が見えない、手に汗握る名勝負となった。以下、小っちゃいですが、ボールを貰おうとする得点源の一人、外からも中からも点が取れて守りも固い、頼れるユーティリティープレーヤー、アルゼンチン出身の我等がNocioni。まじイケメンです。はい。この試合も大事な場面ですばらしい活躍をするが、案の定終盤ファウルトラブルに見舞われる。
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ブルズの熱き魂。ゴール下の守護神。見せてくれます「ハエ叩き」。Big BenことBen Wallace。ディフェンスとリバウンドはリーグトップクラスだがシュートはボトムクラス。
A5ABA5D6A5B920(6).jpgチアリーダー。完全にアスリートでプロフェッショナル。綺麗な人も、そうじゃない人もいます。(失礼)

A5ABA5D6A5B920(5).jpgそして、肝心の結果は、、、

まあ、、、ね。

それはそれでね。。。

訊かないで下さいねと。

いいじゃないすか。盛り上がれた訳ですし。。。


次は勝とう!!!

以上

IM

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このページは、Kellogg在校生が2008年2月17日 23:00に書いたブログ記事です。

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