ファイナンス

Finance II(Corporate Finance)

2000年のOutstanding Professor of the YearであるPetersen等が教えているコーポレートファイナンスの授業で、KelloggのFinanceの中核に位置づけられる科目。ケースも扱うが、理論重視のため、レクチャーと宿題がメインとなっている。Finance Iと異なり、こちらではバランスシートの右側に重点が置かれ、資金調達、先物・オプション取引、リアルオプション、配当政策、最適資本構成(MM理論他)、税金の効用、Financial Distress、シグナリング等非常に多くのトピックをカバーしている。広範なトピックを扱いながら、市販の教科書では詳しく扱っていないGovernment Bondに係るRisk Premium, Cost of Financial Distressの具体的計算手法等も扱い、深い学びがある。教授が素晴らしく、ファイナンス出身の自分にとっても非常に有意義なクラスであった。(T.O)

Financial Decisions

Finance I, IIで身に着けた理論をベースに12~16本のケースを扱うケロッグの名物授業。教授は契約理論の世界で有名なArtur Raviv、Outstanding Professor of the Yearのノミネートの多いThompson, Liberti等錚々たる顔ぶれが揃っている。トピックは投資意思決定、最適資本構成決定、各種M&A、LBOモデル、ワラントValuation、敵対的買収防衛策、IPO等多岐にわたる。これらを4~5人のグループで熟考しケース分析をし、結論まで導く過程はさながら仮想取締役会。Financeメジャーの必須要件にはなっていないものの、その有用性からかかなり多くのケロッグ生が履修している。毎回単に授業で議論するだけでなく、クライアントへのRecommendationレポートを作成しないといけないため、週に2回ケースがある場合はかなり大変であるが、その分身に着くものは多く、投資銀行志望の学生はサマーインターン前に取る場合が多い。(T.O)

Investments

Finance1で扱ったポートフォリオ理論を、Markowitzと呼ばれるプログラムを使用して実際に計算しながら理解を深めていく授業。債券の仕組みやImmunization等のYield Curve strategies(この部分はFixed Incomeのコースと重複あり)から始まり、Optimal portfolio selection, risk and return, performance evaluation, CAPM, Factor modelまで幅広く投資理論について学ぶことができる。履修者はファンドマネージャー志望やAnalytical Financeメジャー取得予定の人が多い。ツールを使用するため、数学的なレベルはそれ程高くはないが、教科書より一歩踏み込んだ授業をするため、難易度は高く、コンセプトの理解に時間・労力を要する。

Fixed Income Securities

全米経済研究所(The National Bureau of Economic Research)のリサーチャーでもあるDeborah J. Lucasが教鞭を取り、Finance Iで学んだYield, Duration, Convexityの復習から始まり、債券・金利先物、債券オプション、金利スワップ、クレジット商品、証券化まで広範囲をカバーするコース。プライシング理論のみならず実務に即した講義内容はテキストを読むだけでは得られない知識がふんだんに盛り込まれている。また、他のクラス同様、豊富な実務経験のある同級生(債券ディーラー、格付機関アナリスト等)からのコメントからも非常に学びが多く、ファイナンス志望の人にはお薦めのコース(投資銀行、アセット・マネジメント、ヘッジ・ファンドで働く人が履修することが多いようです)
10週間の前半は「証券投資論」の内容と重なる部分もあるが、後半はクレジット・デリバティブや最新のトピックも取扱い、証券アナリスト(CMA) 保持者でも役立つ内容になっている。(T.S)

Derivative Markets 1

各種デリバティブ商品のStructure、Pricing等について学ぶ。Derivatives Markets の著者であるMcDonald本人、Dean Hagertyといった大物教授が担当している。授業はレクチャー形式で、ほぼ毎週出される宿題が授業理解の助けになる。始めにForward, Future, Swapの仕組みについて学び、授業の大半はPut-call parity, Binominal pricing, Black-Scholes formula等のOption pricingに費される。基礎的な偏微分は使用するものの、確率微分方程式の理解は必須ではなく、初学者が無理なくデリバティブの知識を身につけることができるカリキュラムになっている。それ故受講者は金融出身者に限定されておらず、広くコーポレートファイナンスに関わる可能性のある人が取っている。Finance Majorの要件に入っており、日本人の履修者も多い。デリバティブは実務で経験があったが、知識のまとめができ非常に有効であった。(T.O)

Financial Strategy and Tax Planning

2000年のOutstanding Professor of the Year であるPetersen教授の教えるこの科目では、Financial Strategyを判断する際にともすれば専門家に任され、無視もしくは過度に簡略化して取り扱われるTaxについて現実のルールそのまま適用している。トピックとしては、実効税率、繰越欠損金、Municipal Bond、REIT、配当課税、Tax arbitrage、リース、外国税額控除、M&A税制等多岐に亘る。教授のスタンスは、細かい話は規制の変更も多いので専門家に任せ、専門家から必要な情報を聞き出すことができるよう概要とFinanceへの影響を中心に学習するというもの。よって事前に税法の知識は必須とされていない。
授業のレベルは非常に高く、履修者は圧倒的に投資銀行志望の人が多かった。アメリカの税法は日本の税法にも非常に近く、M&A関連の仕事を始めるにあたって非常に有意義であったと思う。(T.O)

Corporate Restructuring

Restructuring Equity(Spin- off, Split-Off, Equity Curve out, Tracking stock等), Restructuring Debt Contract(DIP, Senior, Junior 等), Asset Restructuring 等についての長所、短所及び適合する企業形態を学ぶコース。FIND に続くケース中心に進められる授業だが、FinanceだけでなくStrategyの視点からの解説にも重きを置いている。米国のChapter11、Chapter7は日本の倒産法(破産法・民事再生法・会社更生法)や他国の同様の法律と必ずしも一致しませんが、基礎となる考え方や経済効果、当事者間の利害関係は殆ど変わらないため、米国内外の投資銀行や企業の財務部門、コンサルティング・ファーム或いは起業等、幅広い進路の同級生が履修している。(T.S)

FINC933C/Asset Management Practicum

2007年の春学期より初めて開講された授業です。Northwestern Universityへの寄付金(endowment fund)の一部を実際に米国株式並びに関連デリバティブで運用するという実践的授業です。このような実弾を運用する授業はトップスクールの中でも極めて珍しく、学校側が「Kellogg=Marketing School」という広く誤解されてしまっている一面的なイメージからの脱却を図る姿勢がこうしたところにも現れていると思います。この授業はその性質からして受講者が26人に絞られており、その内半分は職務経験、これまで受講した科目・成績を基に希望者の中から選考で選ばれます。残りは通常のBiddingシステムで選ばれますが、2007年春学期には最低落札が1000ポイントを超え、かなりの人気を集めました(1学期当たりに配分されるポイント総額が1000ポイントしかないことからも、これが如何に高い水準であるかお分かり頂けると思います)。また、この授業は春学期のみでは完結せず、秋・冬学期の計3学期に渡って受講が義務付けられている他、Co-requisite(同時に履修が求められる科目)の要件も厳しく、結果として関連業界(ヘッジファンド、アナリスト、PE、VC等)への就職を考えている人しか実質的に受講が出来ない極めてセレクティブな講座となっています。春学期においては、各人にEquity Analystとしての担当業界が与えられ、ファンドに組み込むべき推奨銘柄をプレゼンすること(Stock-pitch)が義務付けられています。語学のハンディに加え、米国の個別企業に対する土地勘の無さもあり、インターナショナルスチューデントには厳しい授業ですが、このfundは当校学生への奨学金原資となっているだけに、やりがいも大きいです。期中何度か来校されるゲストスピーカー勢も第一線で活躍中の方々ばかりで、非常に勉強になります。(K.S.)